■日曜劇場はもう終わり?

 これまで不評だった、ジョーカーや警察のボケ、小ネタがなく、エースの壮絶な過去が明かされ、見ごたえのある回ではあった。しかし、それが視聴率にはつながらず、日曜劇場としては物足りない9%台から抜け出すことができず、このままでは同枠のブランドを傷つけてしまいそうだ。

堤幸彦氏の独特な演出による小ネタは、明らかに中盤から減っていました。おそらく、視聴者の反響を見てのことでしょう。今回の反響は良かったですが、すでに手遅れの状態です。もっと早くエースの過去を明かしていれば、視聴者も惹きつけられたかもしれませんね」(ドラマライター/ヤマカワ)

 日曜劇場は昨年から若手俳優の起用が続いてきたが、次は福山雅治(54)と大泉洋(49)、その次は、堺雅人(49)や阿部寛(58)の出演が早くも発表されている。数字を持っているおなじみの顔ぶれで、これまでの失敗を取り返すため、元の日曜劇場に戻されるようだ。

「ただ、今後もおなじみの路線が続くかは微妙です。『半沢直樹』などで長年タッグを組んできた、演出の福澤克雄氏とプロデューサーの伊與田英徳氏が、撮影をめぐってぶつかりあって決別したままと言われています。黄金タッグを欠いているうえに、堺雅人も大手事務所を退社するため、今後は地上波ドラマの出演が今までどおり行かない可能性も。日曜劇場の大型ドラマ路線も、今年が最後になるかもしれません」(同上)

 今後を見据えての俳優陣の若返りだったとは思うが、うまくはいかなかった。さらに従来の王道路線も将来的に難しいとなると、TBSとしては八方塞がり。名作ドラマを作り続けてきた、伝統ある日曜劇場はどうなってしまうのだろうか。