10月20日に放送されたNHKスペシャル『ジャニー喜多川“アイドル帝国”の実像』。23日水曜日に深夜(24日午前0時40分~)に再放送もされる同番組が波紋を広げている――。

 ジャニーズ事務所創業者のジャニー喜多川氏(享年87)と、それを隠蔽してきたジャニー氏の姉“メリー喜多川”こと藤島メリー泰子氏(享年93)――彼らの人生に深く迫ったドキュメンタリーによって、旧ジャニーズタレントの受け皿である新会社STARTO ENTERTAINMENTと、『NHK紅白歌合戦』のオファーを巡る話にも、あらためて注目が集まっている。

「『NHKスペシャル(以下、Nスペ)』は、NHKの社会部の強い意気込みを感じさせる、攻めた内容の番組でした。身内、元NHK理事で現STARTO社顧問への直撃取材、さらにジャニー氏が多くの未成年に加害を行なってきたことを週刊誌の敏腕記者がメリー氏に追及したら“今から服を脱いで警察に電話すると言われる”という、明らかな脅迫で事実を隠蔽しようとしたエピソードなどが紹介されましたね」(ワイドショー関係者)

 特に視聴者から怒りの声が上がったのは、SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)の被害者遺族に対する対応と、その際の電話でのやり取りだろう。

『Nスペ』では、ジャニー氏の被害者で初代『ジャニーズ』のメンバー・中谷良さん(享年74/21年没)の姉・幸子さんに対する、SMILE-UP.の対応を取り上げていた。その電話応対では、同社の補償本部本部長はタメ口混じりの返答をしたり、中谷良さんが1989年10月に出版した著書『ジャニーズの逆襲』( データハウス社)で被害を告発していた件に触れて会社(ジャニーズ事務所)も暴露本の被害者であるかのような物言いをするなど、あまりの態度の悪さに批判が殺到したのである。

 あらためて、ジャニー氏の卑劣な行為、そして事務所の反省がないような対応が描かれたことでSNSも大荒れだが、「事務所だけでなく、NHKのダブルスタンダードとも言えそうな動きを問題視する声も出ていますね」(前同)というのだ。