この2か月ほど、関東を中心に一軒家に押し入り、住民を縛り上げた末に金品を奪う、緊縛強盗事件が相次いでいる。

 10月16日には、横浜市内の住宅で75歳の男性が手足を粘着テープで縛られ、20万円を奪われる事件が発生。被害男性は、鈍器などで殴られたと思われる全身打撲により、出血死している。

「特徴的なのが、実行犯がSNSを通じて集められた“闇バイト”である点です。 “高額案件”“即日即金”といった言葉に引き寄せられて応募すると、電話番号から住所、さらに免許証など、個人情報の提出を求められる。これを逆手に脅され、指示役から強盗の実行を強要されるケースも目立つ。自業自得ですが、凶悪な犯行に加担しながら、報酬すら受け取れない者もいます」(全国紙社会部記者)

 犯罪の素人であるがゆえの、住人を傷つけることもいとわない、粗暴な凶行。いったい我々は、こうした魔の手から、どのようにして身を守ればよいのか。

 防犯アドバイザーの京師美佳氏に“狙われる家”と“狙われない家”をテーマに、自宅の防犯対策を教示してもらった。

「強盗犯にとって、犬を飼っている家は鬼門です。なにもシェパードやドーベルマンでなくてもいいんです。 マルチーズのような小型犬であっても、夜中にワンワン吠え続けていたら、近所の人に気づかれやすくなります。事前の準備段階でも、犬を飼っている家は、敬遠されると思われます」(京師氏=以下同)

 一連の強盗事件では、犯人グループが事前に訪問販売業者や調査員などを装い、ターゲット探しを行っている疑惑が浮上している。

「強盗に入る前、飛び込みのリフォーム営業や内閣府の調査などと言いながら、家を下調べする手口が知られるようになってきました。ここで大事なのは、インターホンがカメラ付きであるか、否かです」

 もしも自宅のインターホンが呼び鈴のみのタイプならば、ドアを開ける際は、より慎重な姿勢で臨む必要がある。

「仮に相手が本物の調査員だったとしても、世帯年収や家族構成などを教えるのは危険です。“水回りの無料点検に伺いました”などのセールストークも、疑ってかかったほうがいいです」