■旧ジャニーズから独立のメリット・デメリット
芸能評論家の三杉武氏は、二宮のLUUPのCMキャラクター就任についてこう話す。
「たしかにLUUPの事故は多いですが、二宮さんはその辺は難しくは考えていないと思います。私生活で快適に乗れているし、本人的にはルールさえ守れば問題ない乗り物だと思っているのでしょう。
LUUP側にとっても、好感度抜群で、かつLUUPを普段使いしていてる二宮さんが“安全で正しい使い方をすればOK”とアピールすれば説得力があるし、イメージアップは間違いないですよね。
誰とは言いませんが、CM出演している企業と違う車に乗っているタレントもいますし、それに比べると、普段からLUUPを愛用している二宮さんに声をかけたのは自然で、CMキャラクターは適任と言えそうです」(三杉氏、以下同)
さらに三杉氏は、旧ジャニーズ事務所――大手プロダクションから独立することのメリット・デメリットについて語る。
「メリットとしては、個人の意見が反映されやすいことですよね。大手事務所は数字至上主義なところがあるし、本人が良いと思っていても、忖度で”二宮はそんな仕事しません”と、本人が知る前に断ってしまう可能性もある。
しかし、独立すれば取引先と第三者を挟まずに話を進められるわけですから、クライアントとのコミュニケーションがスムーズですよね」
逆に、デメリットは、
「事務所の後ろ盾がないので、トラブルが起きた場合はモロに責任を問われますよね。不倫や事故、契約違反などによる違約金のリスクが高いと。
また、事務所体制なら“この仕事はリスクがあるかも”と止める人がいるけれど、独立している場合はそういう人もいない、少ないわけで、独断専行で暴走しがちなところもありますよね」
前提として、事務所から独立するタレントは、自分の意思を尊重して仕事を選びたいために辞める場合が多いという。そのため、そもそも他人が意見することが難しいようだ。
「ある芸能プロダクションの幹部に聞いた話では、成功してる芸能人は自分に絶対的な自信がある人が多いそう。芸能界で成功する人は一握り。そこで成功する=自分は正しい道を歩いている、という自信に満ちあふれている人が多いと。そのため、そういう人が独立する時は、よほど気心の知れたスタッフじゃないと、支えたり、一緒にやっていくのは難しいといいますね」
二宮の独立はジャニー喜多川氏(享年87)の加害問題というやむを得ない理由があったが、やはり事務所からの独立は一長一短のようだ。
三杉武(みすぎ・たけし) 芸能評論家
早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身。豊富な人脈をいかし、芸能評論家として活動している。多くのニュースメディアで芸能を中心にしたニュース解説を行ない、また「AKB48選抜総選挙」では“論客”とて約7年間にわたり総選挙を解説してきた。