■Tverでの再生数が出演俳優の“価値”に
【以下、『カテコワ』のネタバレを含みます】
みのり(松本)は夫・勇太(竹材)と不倫相手・理子(野波)だけでなく、麻生祐未(61)演じる姑・裕美までもが、みのりの財産目当てで結託していたことを知り、3人に復讐を決意する。
みのりは本格的に復讐に動き、裕美は突然勤め先をクビになる。呆然として帰宅する裕美にみのりが「辞めた? 辞・め・さ・せ・ら・れ・た、の間違いじゃないですか?」、(あなたの仕業かと聞かれ)「はぁい! わたしがやりましたぁ!」と、わざとらしくジェスチャーで挑発しながら、怖ろしい微笑みを浮かべて勝利宣言――という名場面が『カテコワ』にはあった。
そのほかにも、これでもかというほどに不倫を巡る泥沼の戦い、単なる復讐劇では終わらない悲しいドラマなど、同ドラマは多くの見どころに満ちた作品だった。
「松本さんは30代半ばでブレイクするまで長い下積みを過ごした苦労人としても知られていますが、いまやトップ女優。今年1月からは、唐沢寿明さん(51)や天海祐希さん(57)といった実力派俳優が名を連ねる名門プロダクションに移籍し、そして主演したドラマ『カテコワ』がTVerでとんでもない記録を打ち出して、ますます勢いづいている感じですよね。
現在のテレビ界は、リアルタイムの視聴率だけでなく、配信の数字もかなり重要視されている。TVerが回ることで、ドラマの主演俳優や、印象を残したキャストの新たなCMも決まるといいますよ。
TVerでの再生数が主演、出演俳優の価値にもなり、CMのオファーにも繋がってくるといいますから、『カテコワ』で物凄い数字を残した松本さんは、より注目の存在になっていくのではないでしょうか」(制作会社関係者)
かつては、テレビはリアルタイムで視聴するものだったが、現在は好きな時に見逃し配信で視聴することが当たり前に。特に、視聴に時間のかかるドラマはその傾向が強いようで、リアルタイムの視聴率は、かつてと比べ著しく低下している。
「そして、今回の『カテコワ』が良い例でしょうが、ドラマにおいては今や放送局や放送枠の“格差”がかなりなくなってきましたよね。それはやはり、TVerや配信で見る人が多いから。
深夜ドラマだろうが、リアルタイムの数字が低いとされるテレ東や地方局のドラマだろうが、作品の出来さえが良ければ、配信の再生数では『日曜劇場』に勝つことさえある。そういう意味では、ドラマ下剋上時代に突入したとも言えそうです。今後は、視聴者もそして制作側も、ますます配信に目を向けらていくのではないでしょうか」(前同)
テレビドラマは“配信時代”に突入したようだ――。