仕事に追われる毎日。時間のない毎朝の食事に、手早く食べられる『卵かけご飯』、通称『TKG』が再注目され、広がりをみせている。

「卵は、ビタミンCと食物繊維以外の栄養が全部入っています。手軽にバランス食をとれるという、栄養面では満点の食事なんです。コリンという脳に働きかける栄養成分が含まれていて、朝から頭がスッキリする効果もあるので、忙しい現代人にもぴったりですね」

 こう語るのは、卵かけご飯を世界に普及する『日本たまごかけごはん研究所』の代表理事、上野貴史氏だ。上野氏はさらに、卵かけご飯の人気をこう語る。

「当研究所が年に1回主催している卵フェスというイベントがあるのですが、2か月前にはチケットが売り切れ、今年の総来場者数は約1万5千人にもなりました」(前同=以下、上野氏)

 今再び盛り上がりを見せる卵かけご飯だが、その現代人を惹き付ける魅力はどんなところにあるのだろうか。

「たまごとご飯と醤油だけでできるお手軽さが一番の魅力ですが、料理として完成されているんですね。食材やアレンジ、作り方の順番を変えるだけで、レパートリーは無限大の可能性を秘めています。“卵かけごはんは宇宙”なんです!」

 研究所のホームページを見ると、作り方にも様々なバリエーションが。レシピには英語の歌詞のような名前が付けられ、作り方にもこだわりが感じられる。

 そんな上野氏が薦める「究極にうまい」卵かけごはんの作り方がこちら。

「やや硬めに炊いたご飯に“先に醤油をかける”と、ご飯の熱で醤油の香りが立ち、より香りを楽しめます。その後は溶いた卵を加えて素早く混ぜ合わせる。すると、醤油の塩味やコク、お米の旨味が、口の中で味のグラデーションを起こして絶品です。この食べ方は、醤油ご飯の夜空に、溶き卵の朝日が広がるので、当研究所では、『サンライズ』と呼んでいます」