10月28日、橋本環奈(25)主演のNHK連続テレビ小説おむすび』の第21回が放送された。かねてより阪神・淡路大震災を描くことが予告されており、27日日曜日にも公式Xが《来週の第5週(21回~)には、地震の描写があります》と注意喚起を行なっていたが、28日放送回で、ついにその日がやってきた――。

『おむすび』は、橋本演じる平成元年生まれのヒロイン・米田結が高校時代に“ギャル文化”と出会い、やがて栄養士として人の心と未来を結んでいくという“平成青春グラフィティ”作品。物語は2004年の福岡・糸島からスタートしたのだが、結や仲里依紗(35)演じる姉・歩たち家族が1995年までは神戸に住んでいたこと、同年1月17日に発生した阪神・淡路大震災がトラウマになっていることが示唆されてきた。

 過去編では当時6歳の結を磯村アメリ(8)、中学生の歩を高松咲希(14)が演じている。

【以下、『おむすび』10月28日放送回までのネタバレを含みます】

 1995年、米田家は神戸にある商店街で床屋を営んでいた。結と歩の米田姉妹は大島美優(14)演じる歩の同級生・渡辺真紀と仲が良く家族ぐるみの付き合いだったが、商店街のアーケード設置を巡り、北村有起哉(50)演じる歩たちの父・聖人と、緒形直人(57)演じる真紀の父・孝雄の関係が悪化してしまう。

 それでも真紀は「うちとアユちゃんは親友ですから」と、1995年1月16日――阪神・淡路大震災の前日にも歩と一緒にショッピングを楽しみ、結にもおもちゃのペンダントをプレゼント。

「アユちゃん、また買い物行こうな。じゃ、また明日学校で。バイバイ」

 ドラマ開始からおよそ5分40秒ほどのところで、真紀は優しい笑顔を浮かべて歩にそう挨拶をし、別れたのだった。

 そして、翌17日の早朝、大地震が神戸の街を襲う――。

 幸いにも結たち一家は大ケガはせず、避難所になっている小学校へ避難することに。この時点で、まだ6歳の結は状況がよく分かっておらず、“今日は幼稚園が休みでいっぱい遊べる”と、無邪気に思っていた。

 夜になり、電気も止まり、ろうそくの火だけが灯る避難所で結たちは寒さをしのぐため毛布をかぶって身を寄せ合っていたが、地元の女性・雅美が避難者たちに手作りのおむすびを差し入れに来てくれる。

 しかし、そのおむすびはすっかり冷えてしまっていた。結は「おばちゃん、これ冷たい。ねえ、チンして」とお願いをする。雅美は今は電気とガスが止まっていて温められないのだと話し、「街も道路もめちゃめちゃで、ここまで来んのに……えらい時間かかって冷めてもうた。ほんまにごめんな」と謝りながら涙ぐむ。

 泣いている理由がわからない結に対して、「おばちゃんな、生まれも育ちも神戸やねん。大好きな神戸の街が……あんなんなってんの見たら……」「でも、大丈夫。絶対大丈夫やから」と結を優しく励ました。その姿に結も幼いながらに何かを感じ取ったのか、無言で冷たいおむすびを食べる――という話が、現在の結の回想形式で描かれた。