■マツケン・永吉に感謝の声が殺到

 震災と、友だちとのあまりに唐突な別れ。非常にシリアスで涙する視聴者も多かっただけに、松平演じる永吉の空気の読まなさに救われたという声も多く、SNSでは、

《打ち上げ。食べることは元気を与える。上様(※松平の愛称)、明るい空気をありがとう》
《永吉おじいちゃんはある意味いい清涼剤かも》
《ここで空気読まないケラッケラの上様投入してくれるの助かる  つらすぎる》
《マツケンさんの陽のパワーが凄すぎるおじいちゃん最終話までいてほしい…》

 といった声が寄せられている。番組終了直後に放送された生活情報番組『あさイチ』でも、博多華丸・大吉博多華丸(54)が「ちょっと救いになるじゃないですか。おじいちゃんの明るさが」と、恒例の“朝ドラ受け”で言及していた。

「松平さん演じる永吉は、人情家だけど自由奔放なトラブルメーカー。序盤は“ウザ絡み”感もありましたが、物語が進むにつれて、場の空気を重いままで終わらせないという、ある種の癒しキャラのような立ち位置になりつつありますよね」(テレビ誌編集者)

 たとえば、北村有起哉(50)演じる歩たちの父・聖人と永吉は親子仲が悪いが、親子の確執が決定的なものになった27年前の回想シーンでもキャストはそのまま――聖人は北村が赤いジャンパーに長髪、永吉は松平が長髪というルックスで演じ、コント的にすることで視聴者に笑いを提供した。

 また、「糸島フェスティバル」編のメインは、結らハギャレン(通称「博多ギャル連合」)がパラパラを披露するところだったが、そこでも枠外で永吉は大暴れ。マジックショーを披露しようとして失敗し、剣が刺さって「あいた〜っす!」とギャグ丸出しの悲鳴を上げたり、結果発表の場面では、優勝を逃したことに納得いかず司会のマイクをぶんどって「優勝は俺たい!」と大人げない姿を見せたりとやりたい放題。

 永吉が大暴れしまくったことで、“パラパラを通じて震災以来久しぶりに結が心の底から楽しそうに笑う”という感慨深いシーンだけで、終わらなかったのだ。

「松平さん演じる永吉は、とにかく一貫して笑い担当ですよね。震災を描く『おむすび』では、今後もシリアスな展開があると考えられますが、今回の“真紀ちゃんとの別れ”のような悲痛なエピソードが続くと、視聴者も見ていてつらい。それだけに、松平さんの振り切ったギャグシーンが、視聴者にとっての“救い”となっていくのではないでしょうか」(前同)

 松平はキャスト発表時、永吉の役柄をこう評している。

《人助けのためなら家庭も顧みず突っ走る自由奔放な永吉、これまでに演じたことのない面白さのある人物です》

 重くつらい展開を和らげるコメディリリーフ・永吉。これからも、自由奔放ぶりは炸裂し続けるか。