■岸優太の芝居がもっと見たい

 エリーに見送られて会社を出るとき、「まさか昔書いた卒論が褒められるなんて」と謙遜しつつも喜ぶ炬太郎に、エリーが伝えた言葉が深かった。「過去が今を救うことだってある。(中略)人生なんて運よ。運が巡ってきたときにつかむかつかまないか」と。

 まさに、今の岸を示しているではないか。今作のプロデューサー・櫨山裕子氏のインタビューで、岸のことは、以前出演していた『Endless SHOCK』を観劇していて、いつか芝居の仕事をしてみたいと思っていたと語っている。デビュー前に立っていた舞台でのパフォーマンスが、今に繋がっていたなんて、鳥肌ものではないか。

 そして、このことは炬太郎を演じている今が、いつかの未来に繋がっていることを予感させるのだ。この先、新しい道を選び、歩んでいくことが決まっている岸にどんな未来が待っているか、心配や不安を感じている人も多いだろう。ここでまた、エリーが炬太郎に伝えた言葉を思い出したい。「これから先は、あなたが決めたことを信じて」。

 人生の約半分をジャニーズに捧げ、真面目で努力家な岸が選択する道なのだから、きっと明るい未来に違いない。素直すぎるほど真っすぐで、誰からも愛される岸の活躍を、この先も見ていきたい。岸の存在を守りたいと思うたくさんの人に、屈託ない笑顔で幸せと安心を届けてほしい。(文・青石 爽)