■『わたしの宝物』の気になる結末は――

 一方、《最終回は美羽と宏樹は離婚して、冬月君とも離れて美羽はシングルで頑張るっていう展開かなぁ。でも、離婚後も宏樹とは良い関係でいられそうな気もする。『あなして』のミチがそうだったみたいに》など、早くも最終回を予想する声も。ラストで美羽は冬月と再会したが、揺れ動く3人の関係、托卵の行方はどうなるのかーー。

 同じ制作陣の『あなして』のラストは、2組の夫婦は離婚したものの、みち(奈緒/29)と陽一(永山瑛太/41)はよりを戻したように仲良く歩き、キスをする姿が映し出されて終わった。原作コミックは未完のため、これはドラマオリジナルのラストだ。放送後、みちの決断には賛否の声が出ていたが、ドラマ制作陣には恋愛感情を認めつつも、不倫を肯定してはいけないというスタンスがあったためだろう。要するに世間を意識したのだ。

 本作についても、同じように不倫を肯定しないことが考えられる。各キャラの性格を加味して考えるならば、終盤の展開は、冬月の子どもということがわかり、ヤバいぐらい純な冬月は、宏樹と別れて結婚しろと美羽に迫る。しかし、美羽への愛と同時に罪の意識を確信した宏樹は、自分の子どもでないことを受け入れ、美羽も従う。それを知った冬月は、美羽のために身を引く……のではないだろうか。

 宏樹が他人の子どもと知って育てるというオチが意外だが、松本がインタビューで『昼顔』『あなして』、そして本作を手掛ける三竿プロデューサーから、「3部作において、もしかしたら、いちばん難しい話になるかもしれない」と言われたと明かしている。こんな物議を醸しそうなラストも、十分にありそうだ。

 次回は、冬月に抱きしめられた美羽は彼を突き放し、宏樹と娘・栞のもとに戻る。冬月は自分を待ってくれていると思っていた美羽の反応に動揺し、彼女のスマートフォンに「最後にもう一度だけ会って話したい」とメッセージを送る。冬月の行動がさらにヤバいことになりそうな、今後の展開をじっくり楽しもう。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。