11月5日、SMILE-UP.(旧ジャニーズ事務所)が、「ジャニーズ性加害問題当事者の会」(9月7日解散)の副代表だった石丸志門氏を提訴したことが明らかとなった。
「SMILE-UP.は昨年9月に創業者・ジャニー喜多川氏(享年87)の加害行為を認めたうえで“法を超えた救済”を宣言。先の10月末時点で511人の被害者に補償金の支払いを行なってきました。
その一方で元副代表・石丸氏は救済委員会から提示された金額に同意せず、これまでも裁判所で調停を進めていたが、合意には至っていなかった。そして今回、SMILE-UP.は調停の取り下げと提訴について石丸氏に連絡したということですね。補償額は今後、裁判で審理されることになるといいます」(夕刊紙記者)
10月3日にさいたま簡易裁判所で開かれた第3回調停でSMILE-UP.は石丸氏に2000万円を提示したが、双方の主張にかい離があり、合意には達しなかった。調停手続で合意に達する見込みがないとして、調停委員会は同社に調停の取り下げを検討するよう指示したという。
SMILE-UP.から提訴された石丸氏は、スポーツ紙の取材に《訴状はまだ届いていません。裁判で補償額を決めることになりそうです。被害者が被告で、加害者側が原告の裁判を公開でやるんでしょうか》とコメントしている。
「『週刊新潮』(10月17日発売/新潮社)では、ジャニー氏の被害者のひとりが当初“18億円以下は受け取らない”と主張していたこと、現在は2億円近くまで要求額を下げたことが報じられていましたね。
ジャニー氏の行為は絶対に許されざることですが、報じられた被害者の要求額があまりにも莫大なため、SMILE-UP.の“裁判所の判断に委ねる”という動きに納得する人も多くいます。ただ、SMILE-UP.は別件でNHKも絡む訴訟も抱えているため、加害問題はまだまだ今後も続いていきそうですね」(前同)
SMILE-UP.が抱えるNHKも絡む訴訟案件――NHKは昨年10月9日放送の『ニュース7』で、ジャニー氏から複数回の被害を受けたとする関東圏在住の男性X氏による証言をスクープ。それは、2000年代前半、同局の『ザ少年俱楽部』のオーディション告知を見て、渋谷のNHK放送センターで番組に出演するためのオーディションに参加した際に、NHK局内のトイレでジャニー氏からの被害を受けた、という証言だった。