■スノの『紅白』出場に暗雲か

 しかし、実際のオーディション日時、練習内容がX氏の証言と一致しないこと、そもそも『ザ少年俱楽部』は番組でオーディション告知をしたことがないことなど、複数の根拠からX氏の証言には信ぴょう性に欠ける部分があったという。そのためSMILE-UP.はX氏に対して、補償債務が存在しないことを確認する訴訟を提起したこと、それに関連して裁判でNHKの報道姿勢にも言及することになりそうだと、10月31日発売の『週刊文春』(文藝春秋)に報じられている。

「ジャニー氏の加害問題が収束するのはまだまだ先でしょうが、その一方でNHKは態度を軟化。10月16日の定例会見では、昨年9月から出禁状態だった旧ジャニーズの新会社STARTO ENTERTAINMENT所属のタレントの起用を再開すると発表がありましたよね。

 NHKとしては、今年の大晦日の『NHK紅白歌合戦』に、現在人気ナンバーワンのグループ・Snow Manに出場して欲しい狙いもあると言われています。彼らは、10月30日発売の新アルバム『RAYS』が初週売上108.1万枚(『オリコン』調べ)で、令和初の2作連続初週ミリオンでアルバム1位を達成という、とにかく超人気のグループですからね」(ワイドショー関係者)

 昨年末の『紅白』では、1979年以来44年ぶりに旧ジャニーズのタレント、グループが1組も出場しなかった。その影響もあったのか世帯視聴率は第1部、第2部とも過去最低に。そのため、今年の『紅白』には、是が非でもSnow Manに出てもらいたいと考えていそうだ。

 しかし、世間では文春で報じられたX氏の発言を裏取り不十分で報道したNHKの姿勢に疑問を呈する声も合わさり、

《そりゃ証言が二転三転してたら最終的に訴えるだろうよ・・・・・ちゃんと検証しないでスクープしたNHKにも責任あると思う》
《最近の記事で「紅白にジャニーズタレント復帰か」というのがあったが、もし提訴が本当なら今年も紅白はジャニタレ抜きだな》
《また視聴率のために特に未成年のタレントを守る対策を取ることなく起用を続ける芸能界》

 といった声もSNS、ネットでは上がっている。今回の石丸氏への提訴に関しても《裁判で提訴したことも旧ジャニ社にとっては大きなマイナスだろうし、こんな状況では所属しているタレントを紅白には出せないだろ》などの声もあり、やはり『紅白』への影響も考えられそうだ。

「今回の石丸氏を提訴した件や、虚偽申請疑惑のX氏を提訴したことが、STARTO社タレントの『紅白』出場に、直接的に強い影響を与えるというのは考えにくいでしょう。

 ただ『紅白』は国民的番組であり、NHKは同番組において特段、世間の意見、空気感を気にして制作しているところがあります。ですので、SMILE-UP.が抱える被害者との訴訟の件が今以上に大きな話になり、世間から、ジャニー氏の問題はまだまだ終わってないぞ、とする声が大きくなっていけば、STARTO社タレントへのオファーを取り下げる展開もあるのではないでしょうか」(前出のワイドショー関係者)

 ジャニー氏の負の遺産を清算するには、まだまだ時間がかかりそうだ――。