10月にスタートし、そろそろ中盤を迎える秋ドラマ。『わたしの宝物』(フジテレビ系/木曜午後10時))や『ライオンの隠れ家』(TBS系/金曜午後10時)が好評な一方、視聴率、配信ともに残念な結果になっているドラマも。明暗を分けたポイントはどこなのかーー?
まず、竜星涼(31)と八木莉可子(23)がW主演の『潜入兄妹 特殊詐欺特命捜査官』(日本テレビ系/土曜よる10時)は、初回の平均世帯視聴率が4.3%(すべてビデオリサーチ調べ/関東地区)と低調な数字で始まり、配信サービス・TVerのお気に入り登録数も46.3万(すべて11月8日午後1時現在)と伸びが悪い。
同ドラマは、父を殺した犯人に復讐を誓う渡良瀬貴一(竜星)と優貴(八木)の兄妹が、巨大特殊詐欺組織「幻獣」に身分を隠して潜入。組織を内側から壊滅させようとする、バレたら一発、即ジ・エンドの潜入サスペンス。同局系の櫻井翔(42)主演ドラマ『大病院占拠』『新空港占拠』のスタッフ陣が手掛ける。
11月2日放送で第5話まで進んだが、展開が明らかにワンパターン。兄妹が組織に無茶振りされて、潜入した詐欺チームの仲間と解決する流れが毎回続いている。対する詐欺組織「幻獣」の幹部も、アジトに集まっては中華料理を食べて、意味ありげな表情を浮かべるだけ。毎回のように部下に裏切られていて、どうして巨大組織になれたのか不思議すぎる。
人気となった『占拠』シリーズを踏襲したトンデモ展開は、ツッコみながら楽しめるポイントではある。だが、『占拠』のような派手なアクションはあまりなく、毎度のように防犯カメラをハッキングして解決するばかりで、ダイナミックさに欠けているのも寂しい。第5話で復讐相手の鳳凰の正体が明らかになったので、今後、展開が変わればいいのだが……。