■堀田真由の「数字を持っていない」化の恐れ
次女・涼(堀田)の仕事がうまくいきそうになったところで、今度は恋愛モードに入ってきた。しかし長女・恵(仁村)と四女・芽(畑)の恋愛はなかなか進まず、三女・衿(長濱)は行方不明のまま。第5話にして、どういうドラマになるのか、まだ見えてこない。不条理な涼の行動に加え、物語が進んでいく楽しさが少なすぎて、これでは離脱者が増えても仕方ないだろう。
そもそも本作は四姉妹の物語で、今のところ衿をのぞく三姉妹の恋と仕事が筋になっているが、それを10話ぐらいで描こういうのが無理というもの。強引に三姉妹のエピソードを押し込んだため話はなかなか進まず、強引で雑な描写が増えてしまっている。旬の俳優をそろえたのだが、これではムダ遣いだ。
特に堀田は、日曜劇場『アンチヒーロー』(TBS系)で弁護士・紫ノ宮を演じ、株を上げたあとの主演。メイン級の役に定着できる演技力はあるのだが、本作の惨敗で「数字を持っていない」などと評価が下がりそうだ。カオスとなったストーリーをうまく収められるのか、後半に期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。