■錦織一清は自分専用ジョッキでビールを……
――事務所在籍時の石垣さんと高橋さんはどんな関係だったんですか?
石垣 僕は後ろでキーボード弾いてるんですけど、なんか変な髪型のやつがいるなって感じで認識してましたし、ちょっとしゃべったこともありました。あとは舞台『プレゾン』で一緒になったときはガッツリでしたね。
高橋 石垣くんは僕的には先輩なんで。いろいろ可愛がってもらってたって感じですね。で、そのときの『プレゾン』が今までの『プレゾン』と全く違う色だったんです。錦織さんが演出に入ったり。
石垣 少年隊さんが舞台を辞めて、Jr.にバトンタッチする形で錦織さんが演出に入ったんです。
高橋 僕はなぜか錦織さんにえらく気に入っていただいてて。舞台のコーナーでワンシーンがあるんですけど、「毎日、違うアドリブをしろ」と言われて。
――なかなか厳しいですね……。
高橋 やる内容的には屋良(朝幸)くんに「メールが届いてますよ」って携帯を渡すだけなんです。そんな薄いシーンに2~3分かけて面白おかしいことをやって携帯を渡すことになってしまって。それを50公演ずっと違うことやらないといけない。
石垣 いつも裏で小道具とかいろんな物を探してるんだよね。
高橋 石垣くんも、舞台始まって最初にブワーッとしゃべる場面があったよね。
石垣 そうそう。本番の5分前ぐらいに錦織さんが「今日これ言って!」ってセリフを出してきて、「今から覚えんのか、ふざけんなよ」って(笑)。これが毎回で、錦織さんはずっと袖で見て1人で笑ってんの。
高橋 本番中に「袖からニッキの笑い声が!」って。
石垣 錦織さんの笑い声でファンも笑うんだよね。
高橋 錦織さんは、「笑わすセリフは笑って言うな」という人なんですよね。「真顔で言うから面白い」と。それで、錦織さんが「これだ」って思ったリアクションができて、それがバチッとハマった瞬間に、もう何回もその場面で笑える人なんですよ。
でも、「今日違ったな」ってなると絶対笑わないですし、そんなのことをずっとやらされて。錦織さんは、たぶん無茶ぶりができる人が好きなのかも。それでニッキさんと石垣くんと僕3人で飯連れてってもらったりとか。
石垣 錦織さんは、絶対寝ちゃうんだけどね(笑)。それで、錦織さんはずっとビールなんです。一生ビール飲んでます。
高橋 一番小さいジョッキで(笑)。
石垣 自分専用のジョッキをお店に置いてて。“一杯を何時間かけて飲んでるんすか?”みたいな。
■大野智のダンスは“エグい” 「足が無重力なんですよ」
――「この人プロだったな」や「この人すごかったな」みたいなエピソードはありますか?
高橋 みんなすごいっすけどね。キンキの堂本光一くんの殺陣とかもすごいじゃないですか。舞台『SHOCK』ですよね。たぶん日本一長いし、数多いんじゃないですかね。あの年でまだできるっていうのも鉄人ですよね。だから練習されてる姿もずっと見てられる。
石垣 『滝沢歌舞伎』の滝沢(秀明)くんもそうですけど、殺陣のシーンとか出させてもらったんですけど、地獄でしたもんね(笑)。あれはできないです。タッキーは「俺の現場でしかできないことをやるんだよ。(石垣が)ピアノ弾けるのはみんな知ってるだろ?」って言ってくれて。芝居やったり歌舞伎の踊りやったりして、それを見て笑ってるんですよ。
プロフェッショナルな現場に下手くそなやつっていないじゃないですか。そんななかでブーブー言いながらも、後輩が成長していく姿が楽しいんですかね。先生のような目線で……自分というより、後輩とか人のためにっていうのがあるんでしょうね。
高橋 裏方とかそっちの仕事のほうが「やりたい」っていうのはずっと言ってたんだろうなと思う。「俺はもういいよ」って感じでしたね。
――殺陣や演出の話題が出ましたが、ダンスがすごかった人は誰ですか?
石垣 嵐の大野(智)くんの踊りはすごかったですね。
高橋 歌上手いし、ダンス上手いし。あの人、“足技”がエグい。足が無重力なんですよ。上体がほとんど動かないダンスをするのに、下半身がえげつなく動いてるんですよ。「アイソレーション」って言うんですけど、足のアイソレがえげつないですね。
――さすが、国民的グループですね。
高橋 嵐は大体、(松本)潤くんに主導権があって「ここ、こういうふうにやって」とか「セットはこうで」とか、ほとんどプロデューサー側に回っているんですよね。でも、最終的には「いいよね、リーダー?」って。最後、絶対に大野くんに確認するんです。
その時、大野くんも携帯触ってたりしてるんですけど、「ああ」って必ず返事をする。どんなことでも「リーダー」って聞くんですよね。
石垣 ちゃんと許可を取る。それが嵐の形っていうか、リーダーを立てるって感じですかね。リーダーが「うん」って言うからみんなやるよっていう。