■人類はSF的発想を基に発展してきた! それが“文化”

 

『バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジー 35th アニバーサリー・エディション 4K Ultra HD + ブルーレイ』のパッケージ画像(画像はAmazonより )
『バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジー 35thアニバーサリー・エディション
4K Ultra HD + ブルーレイ』 ちなみに2015年はアップルウォッチが発売開始した年だ。
※画像はAmazonより

浅尾氏いわく、

「SF作家の仕事は、“未来予想”といえます。SF的発想を基に人類は発展してきました。羽が生えて空を飛ぶ自由な発想からバルーンが発明され、飛行機になり…。こうして、作品の中で描かれた未来が実現すると“文化”になります。一方、実現しなかったものを含め、"過ぎ去った未来"をSF用語で『パストフューチャー』と呼ばれます」

 それにしても意外と暗い未来予想ばかりの『パストフューチャー』作品。最後は明るい未来を描いた、『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』をご紹介したい。

 前作のラストで、主人公マーティは、発明家ドクに言われるがままタイムマシンに乗り、2015年へ。

「劇中登場する自動でヒモが閉まる靴や3D映像などは、現代でも近い形のものの開発が進んでいます。体を一瞬で乾かしてしまうジャケットも、この夏活躍したクーラーや扇風機が付いた作業着を連想させますね。空飛ぶ車は実用化には至っていませんが、来年の大阪万博で実証実験としてお目見えします」

 おお。ある意味、正しいSFと現実の関係。現実もこの先明るい、かな。

「スポーツ年鑑を盗んで大金持ちになり、未来のヒルバレーの町で好き勝手ふるまうライバルのビフ。実は彼のモデル、ドナルド・トランプなんですよ」

 町の有力者どころか、アメリカ大統領!?

 超えてきたなぁ、現実。

浅尾典彦(あさお・のりひこ)
SF、ファンタジー、ホラー、アニメなど“サブカルチャー系”映像世界とその周辺をこよなく愛し、それらを”文化”として昇華するため”の活動を関西で続けるFantastic Messenger夢人塔(むじんとう)の代表。映画コレクター、自主映画、同人誌を経てプロライターへ。新聞・雑誌への掲載、テレビ・ラジオの出演・製作、イベント・講演、専門学校講師、などグローバルな活動を続けている。