格安の電気製品で一世を風靡した船井電機が苦境に陥っている。

 10月24日には東京地裁から破産手続きの開始決定を受け、従業員約550人を即日解雇。

 ただ、これに対して今年9月に会長に就任したばかりの元自民党衆院議員・原田義昭氏はメディアの取材に対し、「まったくの寝耳に水。必ず再生できるし、従業員の雇用は守る」としているが、先行きは厳しいとの見方も根強い。

 大阪に本社がある船井電機。このニュースで久しぶりに名前を聞いたという方も多いだろうが、実は海外では近年まで、圧倒的なシェアを誇っていたのだ。プロ家電販売員で家電ライターでもある、たろっさ氏が解説する。

「アメリカではPlayStationのソニーと同じくらい知名度がある。はっきり言ってパナソニック、東芝、日立、三菱、シャープなんて比べものにならないくらい有名な電機メーカーです。90年代から2000年代にかけてビデオデッキは全米シェアの5割超、テレビにビデオデッキがついたテレビデオは6割超、DVDプレイヤーや液晶テレビでも躍進を続けていましたから。中国の工場で安く大量生産した家電を、北米などのスーパーやディスカウントストアで激安販売するのが得意技だったんですよね」(たろっさ氏=以下同)