■本業のテレビ事業が落ち込みで放送外収入を求められて……
今回、問題となった動画は『めざましテレビ』を中心にした情報発信を行なうフジテレビの公式YouTubeチャンネル『めざましmedia』のものなのだが、
「現在、フジテレビに限らずですが、テレビ局は本業のテレビ事業がとても苦しい。年々、もの凄い額の広告収入減となっており、番組制作費も大幅に削られていっているわけですが、同時に各局、各部署に求められているのは、“放送外収入”を作ることです。本業の落ち込みの分、新たな収益を作って埋めていく必要がある。港社長からは各局に、明確に放送外収入の目標も設定されているといいます。
それはたとえば、イベントだったり、番組グッズの販売だったりもあるでしょうし、ドラマやバラエティでは見逃し配信サービスのTVerを回すこともそれにあたるでしょう。そこで見られれば、TVerでの広告収入が入ってきますからね」(前出の制作会社幹部)
そんななか、フジテレビでは情報制作局が厳しい立場に置かれているという。
「情報番組は基本、ニュースを届ける番組。だから、TVerでは配信されないんです。そこで『めざましテレビ』などを制作する情報制作局はYouTubeチャンネルを作り、手元にある素材を動画コンテンツにして、少しでもお金にしていく方針だといいます。そこで出されたのが、例の大炎上してしまった上垣アナのイジリ動画だったと。
しかし、ただでさえ新たな業務での人手不足に加えて、フジは2022年冬に50歳以上の社員の早期退職を募ったこともあり、判断力が確かなベテラン社員が少ない状態にあるといいます。そのために例の動画が出てしまったのでは、と言われていますね。
テレビ事業不振の穴を埋めるために新たな収入源を作らないといけない。そのために切り売りされる“内部素材”。しかし、チェック機能が万全ではなく、配信した動画が炎上してしまった――というのが、“上垣アナイジリ大炎上”の顛末と言われています。そして、それは“また起こりうる”とも言われていますね。目標が設定された放送外収入獲得のためどんどん新しいコンテンツを出すことは求められるが、慢性的な人不足でチェック体制も万全ではないわけですからね。
西山アナたちの振る舞いは良くないものだったでしょうが、“西山さんたちも世に出るとは思っていないから……”という同情の声も、局内では多く言われていますね……」(前同)
大炎上を招いてしまった内々での“後輩イジリ”動画。局内の構造的な問題もあるようだが、西山アナたちは大きく評判を落としてしまった――。