■「正直かなり抵抗はありましたが……」

 出来上がったポスターは、一糸まとわぬ姿の桜井さんの身体が河合氏の顔で隠されているという、かなり過激なものだった。これについて、抵抗はなかったのだろうか。

「河合さんからの依頼は、“普段SNSに載せている感じの写真”だったんです。私はグラビアアイドルなので、自分のSNSにはハイレグなどきわどい衣装を着た姿も投稿していたので、それなら良いかと思いお受けしました。

 しかし、いざポスターを作るとなった時、河合さんから送られてきたのが、海外の女性がヌードでM字開脚をしているものだったんです。グラビア、DVDの撮影などでは、やりたくないポーズも監督の指示があればやらざるを得ない場面がありました。騒動のポスターについても、当初依頼された内容とは大きく変わったため、正直かなり抵抗はありましたが、プロとして一度引き受けた仕事は投げ出せないという思いで撮影に臨みました」

 その後、桜井さんは出来上がったポスターを自身で掲示板に貼る姿をSNSに投稿した。しかし、結果的にポスターは問題視され、大炎上に巻き込まれることとなった。当時、このポスターが炎上するとは思わなかったのだろうか。

事の顛末を説明する桜井さん 撮影/白川ちひろ

「見本の画像をいただいたときは、過激だなとは思いましたが、河合さんは何度も選挙に出ており、選挙に関してはプロの方だと認識していたので、規定には反していないのかなと……。

 もともと炎上させようと思ってやったわけではなく、ただお仕事として受けたので、まさかあそこまで問題になるとは思わなかったです。結局、ポスターの基準判断が、選挙管理委員会なのか国家公安委員会なのか今もなお、いまいち釈然としないところもありますね。

 昨今のSNSを用いた選挙活動でも思うのですが、今まででは想定できなかった選挙活動や宣伝広告のあり方に対して、道徳的な基準やルールを今一度考えるきっかけにはなったとは思っています」 

桜井MIU(さくらい・みう)5月29日生まれ。グラビアアイドル・レースクイーンとして活躍。幼少期をインドネシア共和国ジャカルタで過ごす。高校時代は、中心市街地活性化政策(TMO事業)に参加し、地元商店街の復興会議に参加し、街づくりに興味を持つ。その後、大学では現代社会学部で学び、経営学検定初級・秘書検定2級・漢字検定2級を取得し、卒業後はフィジー共和国に留学。社長秘書などを経て、スカウトされモデル・レースクイーンなどの世界へ。現在は、芸能活動のほか、ボランティア団体主催のゴミ拾いへの参加や農業など、幅広く事業を行なっている。

取材・文/白川ちひろ
キャバ嬢時代に書いていたブログがランキング上位となり、某出版社からのスカウトでライターデビュー。これまで多数のタレントのインタビュー記事を手がけ、そのほとんどがYahooトップ・ランキング入りを果たす。グラビアアイドル好きを自称し、推しのチェキ会やイベントには必ず参戦する。イチオシのグラドルは橋本梨菜、青山ひかる、奥村梨穂、豊田えま。