■日テレ上層部が抱く危機感

 かまいたちがMCを務める『超無敵クラス』は、令和の最強10代とテレビの人気者たちが世の中のアレコレを発表し合う超刺激トークバラエティを謳い、総フォロワー数1000万人超えの“生徒”らが出演。現在は日曜午後12時45分から同2時枠で放送されている。

「中高生が出演する、若者をメインターゲットに据えた番組です。ここ数年、日テレは世帯視聴率は求めず、個人でもさらに若年層のコア視聴率だけを狙いにいっていた。その代表的な番組が『超無敵クラス』だったわけです。

 上層部の方針に沿って作られたわけで、同番組が悪いわけではありませんが、日テレでは全体的に若者のほうばかりを向き、他の世代を軽視した番組作りをした結果、番組作りのバランスを崩し、コア視聴率も個人視聴率も取れなくなっていたと言われています。それを受け、現在は個人とコアの2つを重視する方針にあらためたといいますね」(前出の制作会社関係者)

“世紀の大改編”とも言われる2025年春の日テレの改革。そのなかでもやはり注目なのは、前にも触れたドラマ枠の“リターン”だという。

「“土10”枠を撤廃して、“水10”枠に戻す件ですね。24年春に撤廃した『水曜ドラマ』には多くのヒット作もありましたからね。再び水曜午後10時にドラマ枠を設けるのも“原点回帰”といったところではないでしょうか」(前同)

 最高世帯視聴率40.0%を記録した松嶋菜々子(51)主演の『家政婦のミタ』(2011年)、(38)主演の『花咲舞が黙ってない』(2014年)、綾瀬はるか(39)主演の『きょうは会社休みます。』(2014年)、篠原涼子(51)主演の『ハケンの品格』(2007年/2020年)なども「水曜ドラマ」で放送されたヒット作だ。

「日テレの来春の大改編は“やらかした編成”を反省し、逆襲に出る改編になるということ。日テレ上層部は現在の状況にかなりの危機感を抱いているといいます。というのも、テレビ朝日に世帯視聴率3冠と個人視聴率3冠を独占される可能性がありますからね」(同)

 24年1月2日に発表された「2023年年間平均視聴率」(23年1月2日~12月31日)では、テレビ朝日が世帯視聴率で全日帯(6~24時)、ゴールデン帯(19~22時)、プライム帯(19~23時)の3冠を、個人全体で全日帯、プライム帯の2冠を達成した。

「個人のゴールデン帯は日テレが1位でしたが、それ以外はテレ朝が独占したんです。それが今年は、その個人のゴールデンもテレ朝が奪取する可能性があるそうです。日テレ上層部はこれに相当な危機感を抱いていると。そのため、局員、制作会社関係者、広告代理店関係者……取り巻く多くの人が驚くような大改編に打って出ることになるということですね」(同)

 テレビ界に大きな衝撃が走っているという25年春の日本テレビの大改編。日テレは、民放王者に返り咲くことはできるのだろうか――。