■イチオシ作は、あのヒーローの敵、凶悪犯罪者が主役
何も考えず、スカッとしたい方にオススメなのは『フォールアウト』(Amazon Prime Video)だ。人気ゲームの実写ドラマ化で、核戦争で文明が壊滅した後の人類を描く物語だ。
「原作ゲームが好きな人にも評判がよく、その完成度はハリウッドの底力を感じます。過激な描写は配信ドラマならではですね」(前同)
壮大な世界観を楽しみたいという方へのオススメは『三体』(Netflix)。中国のSF作家・劉慈欣の世界的ベストセラー小説を、劉慈欣の協力を得てイギリスを舞台に大胆に改変した大作だ。才能豊かな5人が、世界を揺るがす恐るべき事実を発見。人類存亡のときが明らかになっていく。
「物語の壮大さと斬新さから映像化は難しいと言われていましたが、実写化が実現しました。宇宙を取り巻く謎が次々と判明し、圧巻です。SF好きにはたまらないでしょう」(同)
同じく名作SF小説を原作としているのが、U―NEXTの『デューン 預言』。2021年からのドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による映画シリーズの1万年前を描いている。個性豊かなキャラクターが、特殊能力を使い人類の未来のために暗躍する壮大な物語だ。
「やはり世界観の作りこみ方がいいです。映像技術の向上を堪能できるのではないでしょうか。大きなスケール感を楽しめると思います」(今氏)
最後に紹介するのは『ザ・ペンギン』(U―NEXT)。ロバート・パティンソン主演の『THE BATMAN-ザ・バットマン-』の世界で繰り広げられる犯罪ドラマ。ゴッサム・シティの裏社会で力をつけていくペンギンを描いている。
「今年のベストドラマ、イチオシです。DCコミックスの重厚な世界を再現しています。キャラクターも魅力的で最高のギャングドラマです。ぜひイッキ見していていただきたいですね。まあ、言われなくてもしてしまうと思います。それくらい面白いです。吹替版もいいですよ」(前同)
あなたの年末年始を彩るのはどの作品?
今 祥枝(いま・さちえ)
大学卒業後、出版社で編集職を経て、1998年に映画・ドラマ専門のフリーランスライターとして独立。各種媒体で企画・取材・編集・執筆を手掛けて、現在に至る。海外での取材経験も多数。著書に『海外ドラマ10年史』(日経BP)、編集協力に『幻に終わった傑作映画たち』(竹書房)ほか。米ゴールデングローブ賞国際投票者、女性記者映画賞審査員を務めている。