■二日酔いになりやすい酒、なりにくい酒
ちなみに、お酒の種類でも二日酔いになりやすいもの、なりにくいものが存在している。
「日本酒、ワイン、ビールなどの“醸造酒”は二日酔いになりやすく、ウォッカ、ジン、ラム、焼酎、泡盛などの“蒸留酒”は二日酔いしにくい特徴があります。しかし、蒸留酒の中でもウイスキー、ブランデー、テキーラ、バーボンは、メタノールが多くなりがちなので二日酔いになりやすく、要注意です」
また、アルコール濃度の調節も翌日の体調の明暗を分ける大きなポイント。
「同じ焼酎でもロックで飲むよりも、ソーダ割りやお茶割りで飲むほうが、アルコール濃度が低くなり酔いにくくなります。また飲む順番は、アルコール度数が低いものから始めること。ただ、 “ちゃんぽん飲み”はおすすめしません」
そして忘れてはならないのは、飲み会終わりの“アフターフォロー”だ。
「二日酔いで苦しい時には、森永のラムネ菓子を食べると治ると渡されたことがあります。ブドウ糖が頭をスッキリさせると聞いていました」(20代女性・会社員)
この噂は「二日酔いの軽減」には間違っていないと望月氏は語る。
「アルコール処理にビタミンB1や糖分が消耗され、低血糖状態になった状態では、ラムネによって血糖値が上がるので、二日酔い状態が改善しやすくなります。ただ、二日酔いを軽度に抑えることは可能ですが“二日酔いにならない”わけではありません」
二日酔い自体から逃れるには、“水分をとること”が大切だと続けた。
「お酒と同量のお水やお茶などのノンアルコールを摂取することを心がけましょう。血液中のアルコールの濃度を下げて分解を助けますので、飲酒の途中でも水分をとることは鉄則です」
とはいえ、“裏技”頼りの飲み過ぎにはご注意を。翌日に響かないよう、ほどほどに飲み会の場を楽しみたいところだ。
望月理恵子(もちづき・りえこ)
管理栄養士、健康検定協会理事長。「根拠のある情報から、栄養・健康をサポートする」ことを目的に、健康効果のある食事の提案、レシピ開発を行う株式会社Luceを運営。プライベートジムRIZAP立ち上げ時の栄養監修や服部栄養専門学校特別講師、山野美容芸術短期大学講師、小田原銀座クリニック栄養顧問など幅広い活動を行っている。