■『海に眠るダイヤモンド』のテーマが鍵

 これまで、いずみ(宮本)の言葉によって、行方不明とされてきた鉄平(神木)だが、最後にどこで何をしてきたかが、はっきりするだろう。そしてそれは、玲央(神木・2役)といっしょに再び長崎を訪れたいずみの前に鉄平が現われ、いずみを救うという劇的な形になるはずだ。

 このラストの鍵は、物語のテーマにある。本作は第5話のサブタイトルにもなった、「一島一家」という言葉に象徴されるように、登場人物が常に誰かを守り、助けることで展開してきた。進平(斎藤工/43)はリナ(池田)を守り、賢将(清水尋也/25)は百合子(土屋太鳳/29)を守るために結婚し、鉄平も端島の人々を守るため奔走してきた。

 であれば、鉄平は最後にいづみを守るために現われるのでは? いづみは会社を売却することになったが、その過程でトラブルが起き、それを解決するため鉄平が現われるのではないだろうか。その手には、長崎市でのデートで約束したギヤマン(ガラスにカットを施したグラス、ダイヤモンドを意味するオランダ語が語源)があるはず。

 次回のあらすじには、「70年の時を超え、愛と青春と友情、そして家族の物語がついに、結着する」とあり、予告動画には玲央の「(鉄平と朝子の運命が分かれた)“あの夜”の朝子さんを迎えに行こう」というセリフがあった。すべての謎が明かされたとき、どんな感動のラストが待っているのか、期待は高まるばかりだ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。