2024年もそろそろ終わり。今年のドラマでは、家族のあり方がさまざまな形で描かれたが、その中でも話題になった2つのドラマを振り返ってみよう。

 夏ドラマで話題になったのは、松本若菜(40)主演の火曜ドラマ『西園寺さんは家事をしない』(TBS系)と、目黒蓮(27)主演の月9ドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系)。全話平均視聴率(ビデオリサーチ調べ/関東地区)は前者が6.6%、後者が7.6%と、どちらも低くはない数字を残したが、最終回を迎えてみると、視聴者の反響が分かれた。何が違うのか?

 まず『海のはじまり』は、人はいつどのように“父”になり、いつどのように“母”になるのか、さまざまな形の“親と子”のつながりを通して描く“家族”の物語。最終回に対するX上の反響は、感動の声が多かったが、《もうちょい視聴者のモヤモヤを解消してもらえると思ってたんだけど……》など、不満の声も少なくなかった。

 ラストは、夏(目黒)が元恋人の弥生(有村架純/31)をはじめ、周囲の助けを借りながら、亡き元彼女・水季(古川琴音/27)が残した娘・海(泉谷星奈/7)を育てるという結末。その中で不満が大きかったのは、夏と別れたのに、中途半端な関係から逃れられないままの、弥生の救われなさだ。

 いくら本人が納得しているとはいえ、元カレの子どもの面倒を見るというのは、まぁまぁな地獄だ。今は良いかもしれないが、こんな夏にだけ都合の良い関係が長続きするはずがない。結婚も、母になることも、夏のせいでずっと我慢を強いられてきた弥生がこの扱いでは、見ている人は納得いくはずもない。