2024年もそろそろ終わり。今年は記憶を失うなど、恋人たちに試練を与える恋愛ドラマが目についたが、その中でも特に話題になった作品を振り返ってみよう。
冬ドラマ(1月~3月放送)で話題になったのは、永野芽郁(25)と山田裕貴(34)という最旬の2人が出演した、月9ドラマ『君が心をくれたから』(フジテレビ系)だ。切ないラブストーリーが期待されたが、毎回のように2人に降りかかる悲劇に、視聴者から悲鳴が上がる残酷な恋愛ドラマだった。
同ドラマは、ノスタルジックで幻想的な雰囲気に満ちた街・長崎を舞台に、主人公・逢原雨(永野)が、高校時代に心を通わせた男性・朝野太陽(山田)のため、自分の“心”を差し出す宿命を背負うことから始まる、“過酷な奇跡”が引き起こすファンタジーラブストーリー。ここでの“心”とは、味覚、嗅覚、触覚、視覚、聴覚の五感のこと。
まず驚かされたのが、ヒロインが生きながらに五感を失くしていくという過酷な設定。その中でも、触覚、視覚、聴覚を失っては、いくら恋人がそばにいても意味がない。そんな事情から太陽が、日下(斎藤工/43)のような人間ではないあの世からの“案内人”になって、雨のそばに居続けるのではという考察も視聴者の間で出ていた。
また、花火師である太陽が「花火はもともと不老不死の薬として作られた」と語り、雨が永久に生き続けることを匂わせたことも。この暗示が伏線となり、バッドエンドを避ける方法があるのではないかと、視聴者は“幸せな奇跡”に望みを託していたのだが――。