■バカリズムを客の呼べる脚本家に
バカリズムの脚本作品は、日常をベースにしたオフビートな作風がクセになる。さらに、今回は演者も豪華で、主演の市川のほか、小日向文世(70)、平岩紙(45)、夏帆(33)など実力派揃い。また、昨年末に新たに池松壮亮(34)、菊地凛子(43)、木南晴夏(39)の出演が発表された。
公式サイトのコメントを見ると、池松の「またバカリズムさんとこの素晴らしいチームが生み出す世界に参加できること、とってもワクワクしています!」というコメントをはじめ、みんな「バカリズム作品に出られてうれしい」と発言していて、演者からも愛されているようだ。
個性的な作風で業界人気が高い……といえば、“クドカン”こと脚本家の宮藤官九郎(54)が思い浮かぶ人が多いだろう。ご存知のように今、最も数字の取れる人気脚本家だ。バカリズムのセンスの高さを考えれば、彼が“第2のクドカン”となる可能性は十分にある。『ブラッシュアップライフ』に続く『ホットスポット』でバカリズムドラマを自社の看板にし、ドラマの復活を目指す……日テレがそう考えている可能性は高そうだ。
実際に日テレは、『ブラッシュアップライフ』以外にもバカリズム脚本のシリーズドラマ『ノンレムの窓』を長年、放送し続けている。じっくりパートナーシップを強め、満を持しての『ホットスポット』というわけなのだ。
プロデューサーの小田玲奈氏は公式サイトで、「宇宙人が出るのにドラマチックなことが全然起きません。でもだからこそ可笑しくて、愛しくて、尊い…バカリズムワールド全開な作品になっています。とにかく脚本が面白いです。さすがです」と絶賛。バカリズムは“第2のクドカン”になるのか、日本テレビのドラマの窮地を救えるのか、放送を楽しみに待ちたい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。