■瀬戸康史、そして渡邊圭祐に期待

 この要素は、1月13日午後9時にスタートする清野主演の“月9”『119エマージェンシーコール』ともかぶる。同ドラマは、消防局の通信指令センターを舞台に、1本の電話で命をつなぐ最前線に立つ、指令管制員(ディスパッチャー)たちを描く完全オリジナルストーリー。清野は、1度聞いた声は忘れない新人指令管制員・粕原雪を演じる。

 フジテレビでは、『コード・ブルー』シリーズなどでおなじみの救急もの。本作は、さまざまなスキルを持った消防・救急のスぺシャリスト集団である指令管制員が、119番の緊急通報に応答し、適切に救急車、消防車の出動を指令する姿をリアルを描くそうで、『まどか26歳』よりも、さらにお仕事要素が強くなりそうだ。

 お仕事もののドラマは、仕事を通して主役が成長、変化していくのが見どころ。そこで大事なのが、仕事の現場でのチームの面々、サブキャラだ。ここがうまく機能すれば、ドラマは生き生きと動き出し、主役はより輝くことができる。

 その点、『まどか26歳』は、芳根演じる主人公と同期の研修医に、高橋ひかる(23)、なにわ男子大西流星(23)と、キャスティング的に小粒感は否めないが、指導医に鈴木伸之(32)、先輩医師に木村多江(53)らの手練れがいて、なんとか期待できそうだ。

 かたや、『119エマージェンシーコール』では、清野演じる主人公の教育係に瀬戸康史(36)、年下の先輩に見上愛(24)、上司に佐藤浩市(64)と中村ゆり(42)と、なんとも頼もしい顔ぶれ。お仕事ドラマとしては、こちらのほうが期待できるだろうか。

 しかし、芳根の『まどか26歳』の強みは、恋愛要素もしっかり入ってくるところ。渡邊圭祐(31)演じる主人公の恋人は、仕事よりもプライベートを優先することをモットーとする、明るいタイプらしく、癒やしの存在になるのかも。お仕事と恋愛のバランスをうまく取れれば、全方向で楽しめる作品に仕上がりそうだ。

 作品内容や放送曜日に恵まれなかっただけで、芳根京子と清野菜名の実力は十分。今期の主演ドラマが代表作になるほどの、2人の好演に期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。