■恒松祐里らゲスト陣に期待

 ただ、ベテランといえば聞こえはいいが、正直、華はあまりないキャスト陣だ。92年の『愛という名のもとに 』(フジテレビ系)以来の唐沢と鈴木の共演という話題も、刺さるのは中高年だけだろう。最近のテレビ朝日は若者を意識したドラマが増えているが、本作は真逆の作りのようだ。手堅いとも言えるが、爆発的ヒットは期待できそうにない。初回の数字こそよかったが、ほかのドラマがまだ始まっていないため「とりあえず見ておくか」という視聴者が多かった可能性が高い。

 とはいえ、“わかりやすさ”という安定感は、テレビ朝日のドラマの王道。ベテラン俳優陣の安心して見られる演技も心地良い。ここから数字を大きく伸ばし、同枠で前期放送された岡田将生(35)主演『ザ・トラベルナース 』の全話平均11.2%に及ぶのは難しいかもしれないが、手堅い数字は期待できるはずだ。

 次回は、天宮寺丈洋(橋爪)の長男・努(安井順平/50)の愛人役として、最旬若手俳優の恒松祐里(26)がゲスト出演する。これからも、恒松のような華のあるゲストを投入していくのなら、ストーリーに“わかりやすさ”だけでなく刺激も加わり、今以上の数字が取れるかもしれない。今後のゲスト俳優に期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。