■「ひろ兄」の存在

 渡邊社長は2019年放送の『プロフェッショナル 仕事の流儀』(NHK)でも取り上げられている。理想とする会社の姿を「タレントが平常心に戻れる“実家”のような場所」と表現し、現場にしょっちゅう足を運んだり、食事会や誕生日会などを行なうなど、所属タレントとのコミュニケーションを非常に大切にしている様子が紹介されていた。

 経営方針も、会社を大きくする意思はなく、タレントは少数精鋭。渡邊氏の目に届く範囲を超える人数は決して抱えず、チーフクラスのマネジャーも、どんなに多くても5人までしか担当させないという。

「渡邊社長たちが良いマネジメントをすることで俳優がのびのびと成長し、誰かが離れても、また別の良い俳優が入れ替わる形で入所する。まさに好循環で稼働しているプロダクションですね。

 小芝さんが移籍先にトップコートに選んだのはそういった評判の良さに加えて、2人の“トップコート俳優”の存在も影響していると言われていますね。1人目は、堀田茜さん(32)です」(同)

 堀田は女優業だけでなく、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)で出川哲朗(60)と“出川ガール”として活躍しているタレント。

「堀田さんは2020年8月末までオスカーに所属していたんです。年もそう離れておらず小芝さんとは仲が良いと言われているので、彼女がオスカーを辞めて現在、トップコートに所属していることも小芝さんに影響を与えたところはありそうですよね」(前出の芸能プロ関係者)

 もう1人は、昨年3月に日本テレビの水卜麻美アナウンサー(37)との結婚を発表した俳優だという。

「小芝さんは『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系/20年4月期)で共演して以来、中村倫也さん(37)と非常に仲が良く、“とも兄”と呼んでいることを明らかにしています」(前同)

 22年10月放送の『TOKIOカケル』(フジテレビ系)では、小芝は「芸能界で小芝風花に一番詳しい人」として中村の名を挙げている。頻繁に会うわけではないがプライベートの相談をした経験もあり、「作品が終わってもちょくちょく心配してメールくれたりとか、本当にお兄ちゃんな感じで優しくて」ということだった。

 中村といえば、前述の『プロフェッショナル』にて、他のプロダクションなら契約が終了してもおかしくない“赤字タレント”だったが、渡邊社長が「数字とかはもちろん大事だけど、気にしすぎてもね」と15年間契約を更新し続けてくれたこと、それが「役者にとって守られている感じ」がしていたと、恩義を感じている様子が紹介されていた。

「中村さんは売れるまでに長い年月を要した苦労人俳優ですが、トップコートの渡邊社長はそんな彼をじっくりと育て、超売れっ子の一流俳優にした。中村さんはそうしたことを、妹のような存在である小芝さんに話すこともあったでしょうから、やはり彼の存在も多少なりとも小芝さんの移籍に影響がありそうです」(同)

 小芝は新天地で、どんな俳優人生を歩むことになるのか――。

(2024年12月14日公開)