■中山美穂さんは重要キャラだったか
ドラマの公式サイトには、「正助やその子どもたち、さらには子育てを通じて出会った人々と触れ合う」「やがて世の中を変えるために選挙への出馬を決める成長物語」とあり、打算ずくめの最低男・一平(香取)が、家族のあたたかさを知っていく、ハートフルなストーリーと思えるが、初回の内容から想像するに、実はシリアス路線のようだ。
というのも、視聴者の指摘にもあるが、いまどきの保育園児が「ドジ」と口にするのは、あまりに不自然なのだ。さらに、正助(志尊)の職場の保育園は明らかなブラックで、彼がそうとうなストレスを抱えているのは明らか。もしかしたら正助と朝陽の間で、虐待に近いことが過去にあったのではないだろうか。
また、昨年12月6日に急逝した中山美穂さんの出演が話題になったが、今回の正助が働く保育園の園長役を務めたシーンは、ほんのちょっとだけ。だが、美穂さんがチョイ役でキャスティングされたとは考えにい。今後、美穂さんの役を引き継いで、実妹の中山忍(51)が新園長役で登場するが、そこから保育園で大きなトラブルが起こることが予想される。
上記の公式サイトには、「今の時代ならではの社会的テーマも毎話盛り込みながら」ともある。最終的には感動的な家族の物語に落ち着くのだろうが、そこに至るまでには、かなりシリアスなエピソードが盛り込まれそうだ。プロデュースは、野木亜紀子氏の脚本の社会派ドラマ『フェンス』(WOWOW)を手掛けた北野拓氏ということもあり、ただの家族の物語では終わりそうもない。
次回は、一平が真壁(安田)に電話で「ホームドラマを演じ切ってやるよ」と宣言するのを、偶然、見てしまったひまり(増田)が一平の正体に気づきそうだ。また、予告には一平が男性カップルを取材する姿もあり、同性愛や同性婚についても描かれるようで、最低男の一平がどんな奮闘を見せるのか、今後も注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。