■リメイク作品が増える背景に3つの理由
4月の放送が決定している『ギャグマンガ日和』は1999年に『月刊少年ジャンプ』で連載スタートとなった増田こうすけ先生によるギャグ漫画で、15年ぶりのリメイク。メインスタッフが再集結していることから、当時の雰囲気や楽しさをそのままお届けしたいという意気込みを感じます。
また、『ベルサイユのばら』『北斗の拳』『キャッツ・アイ』『赤毛のアン』といった「昭和アニメ」のリメイクも続々と発表されており、この流れはしばらく続きそう。
リメイク作品が増えている背景には、「既存ファンの存在」「企画の通りやすさ」「海外配信」という3つの理由が考えられます。現状、新規の有力原作はテレビ局間で奪い合いとなっている反面、オリジナルもののアニメは苦戦する傾向がある。
その点、実績のある平成アニメをリメイクすればリアルタイムで楽しんだ30代~50代が食いつき、その層は購買力も高いため、安定した収益が見込めます。過去のヒット作は知名度があるので、製作委員会やスポンサーへの企画提案がスムーズに進むという利点もある。加えて、昨今は海外配信が新たなビジネスの柱になっていて、原作を持つ出版各社が過去作品の掘り起こしに力を入れ始めたこともリメイク重視の流れを強める要因となっています。
ネット上では「個人的に『金色のガッシュベル』『幽遊白書』は裏で動いていると思います」「『GTO』は反町隆史版のドラマが復活したからアニメもありそう」「ドラマが大成功した『今日から俺は!!』はOVAでしかアニメ化していないから、テレビアニメにはピッタリ」などと、“次のリメイク”を予想する声も。新たな形で甦った過去の名作が、世代をつなぐ架け橋になってくれそうです。
トレンド現象ウォッチャー・戸田蒼
大手出版社でエンタメ誌やWEBメディアの編集長を経てフリー。雑誌&WEBライター、トレンド現象ウォッチャーとして活動中。