■ハラスメント専門家からの見解は

 また、1月16日発売の『週刊文春』では被害女性の知人が、被害女性は中居から「みんなで鍋パーティーをやろう」と誘われ、それを「Aさん(幹部)がセッティングしている回の“延長”だ」と認識したことで、中居の家に行ったとも報じられている。

「つまり、最初の飲み会も、その2年後、23年6月の中居さんからの呼び出しも、被害女性にとって断るのが難しい状態だったと。断れば編成幹部の顔を潰してしまいかねないし、フジテレビの番組に大きな影響力を持つ中居さんの機嫌も損ねてしまうかもしれない。そうなると局にとっても、自分の仕事にも不利益となるかもしれない。それを考えると、行かざるを得なかった。そしてトラブルになってしまった、と。

 そんな関係性がある以上、そもそもの、フジ幹部社員が被害女性を飲み会に誘った、という行為自体がハラスメントになるのでは、だから、フジテレビにも責任が生じるのではないか――という考え方ですね」(前出のワイドショーデスク)

 中居と被害女性のトラブルの“キッカケ”についてはこうした意見があるなか、専門家は現代のハラスメントの常識に当てはめ、どう考えるのか――小サイトはハラスメント専門家で、一般社団法人日本ハラスメント協会代表理事の村嵜要(むらさき・かなめ)氏に話を聞いた。

 村嵜氏は「おそらく今回のケースでは幹部社員が優越的な立場にあり、飲み会には影響力のある中居さんもいた。選択できる状況になくて、だからこそ問題になった。ですので、ほぼハラスメントにあたると思います」

 とコメント。

 逆に、「もしハラスメントに当たらないケースがあるとすれば」という質問には、

「前提として、女子アナが飲み会への不参加を選択できる選択肢があったうえで、自ら飲み会に行くことを決めたのなら、ハラスメントとは言えないと思います。そうなればフジテレビに問題ないとは思います」(村嵜氏=以下同)

 ということだった。

 名刺交換があったとも報じられており、“今後の仕事につながる業務だったのでは”という意見には、こんな考え方があるという。

「名刺交換自体は良いと思います。そして、その先の個人的な付き合いは個人の自由で責任を取らない、というのを事前に、参加したフジテレビの女性社員が承知しているのであれば、その先のトラブルは完全に個人の問題で、会社に責任はないと思います。

 でも、今回はおそらく事前にそういった周知がなくてトラブルになったと想像します」

 最初の報道にあった“男性がドタキャンした結果、中居と被害女性が2人きりになった”という部分について(※フジテレビは事実関係を否定。そして先述の通り1月16日発売の『週刊文春』では、中居から誘いがあり、それを被害女性が『Aさん(フジ幹部)がセッティングしている回の“延長”だ』と認識したことで中居の家に行ったと報じられている)、村嵜氏はこう話す。

「両者の間をつないだのが幹部男性だとすれば、誘った責任者として中居さんと女性に根回しする必要があったと思います。中居さんには“女性が不安な気持ちにならないように配慮してくださいね”、女性には“もし何か危険なことがあったら、いつでも相談してね”というように。

 会社には“安全配慮義務”という従業員の精神・身体の安全を守る義務がありますから、事前にその根回しができていなかったとすれば、義務を怠ったとして、会社の責任問題になると思います。関与が疑われている方は幹部で、経営側に近い人間ですからね」