■高石あかりら生徒役がすごい

 演者はもちろん、脚本、演出も好評な本作。冒頭の衝撃的な事件による“つかみ”から、御上(松坂)の立場を説明しつつ舞台は学校へ。そこから、各キャラを説明しながら話を進め、社会問題に切り込むテーマもしっかり提示する見事な流れ。全く無駄がなく、グイグイ引き込まれる完璧な出来のうえ、今までに見たことのない学園ドラマとくれば、視聴者に支持されるのも当然だ。

 もちろん、演者も熱演を見せた。特に、3年2組の生徒・神崎拓斗役の奥平大兼は、23年7月期『最高の教師』(日本テレビ系)の星崎透など、“ひねた高校生役”のベテランで、本作でもいきなり御上と対峙して見事な演技を見せた。X上では《あれだけ次世代ルーキーな若手俳優が集まりながら、奥平大兼に“託した”初回だったな》などの声が。

 ほかの生徒役では、第2話でも引き続き描かれる殺人事件、教師の不倫問題の後に、今年後期のNHK朝ドラ『ばけばけ』のヒロインの高石あかり(22)と、21年1月期『ここは今から倫理です。』(NHK総合)などの学園ドラマで評価の高い吉柳咲良(20)が物語のキーマンとしてフィーチャーされそうで、楽しみしかない。

 また、『御上先生』のプロデューサーは、『VIVANT』や『アンチヒーロー』(ともに同局系)など、多くの話題作を手掛けている飯田和孝氏。本作にはかなり力はいっているようで、自身のXで《全スタッフ、キャストが、新しい学園ドラマを作ろうと、心のこもった仕事をしてきました》など、熱の入ったコメントを投稿している。

 第2話では、試験会場で起きた殺人事件と、神崎(奥平)が学校新聞で暴露した教師の不倫の関係が明らかになっていくようだ。今までにない学園ドラマ『御上先生』が、冬ドラマを席巻していきそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。