フジテレビ・港浩一社長(72)による“閉ざされた記者会見”が1月17日に行なわれてから1週間が経った──。20日までに75社ものスポンサーが撤退する大騒動に発展。23日に開かれた臨時取締役会では独立した第三者委員会の設置が決定し、同日夕方からは社員向けに説明する機会も設けられたが大紛糾。社員からは港社長ら上層部への怒りの声が上がり、説明会は4時間半もの時間を要するものとなった。
「調査や検証をするのは大事ですが、フジ幹部の体質が変わらないことには……」(スポーツ紙記者)
と、厳しい見方を示す声は少なくない。
17日の会見で港社長は、2023年6月初旬に中居正広(52)が女性とトラブルを起こしていたのを把握していたことを認めた。一方で、中居がMCを務めていた『だれかtoなかい』を継続していたことには「女性のプライバシーを大切にした」「(中居の番組を)唐突に終わらせることで臆測を呼ぶことを避けたかった」と回答。いま取り沙汰されているトラブルにフジ幹部社員が関与していたという疑惑については、「ないと信じている」とした。
フジテレビの番組も手がける制作会社のベテランスタッフは、「他の多くのメディアも報じていますが、港社長会見を読み解くと、フジテレビがこの一件を隠蔽していたとも捉えられかねないでしょう。トラブルを知っているはずの昨年に、中居さんをパリ五輪やメジャーリーグのワールドシリーズ関連の特番に起用していますから」とため息をつく。
港氏が社長に就任したのは、22年6月末のことだ。23年にはジャニー喜多川氏による性加害問題で、旧ジャニーズ事務所をはじめ、同社所属タレントを起用するテレビ局にもその影響は及んだ。まさに人権意識が高まる渦中に、社長の椅子に座っていたことになるが──。
そんな港社長は24年4月に経済誌『日経ビジネス』のインタビュー記事に登場している。
《テレビの楽しさを再定義》と題された記事の中で、フジテレビのビジネスメディアが転換期を迎えていることや、同社の今後の展開になどついて語った。
その中でインタビュアーからは、旧ジャニーズ問題で番組作りに厳しい意見が向けられているのではという問いも飛び出した。それに対し港社長は、フジでは“コンプライアンスのガイドライン”を23年に定めたと説明し、《人権尊重や法令順守に取り組み社会的責任を果たす》と宣言。しかし、続けてこうも言っているのだ。
《こうした前提をしっかり踏まえることは必要ですが、やはりコンプラを気にしすぎると窮屈になるという側面はあると感じています。そういう時に僕は『愛と腕で突破してくれ』と(現場に)言っています》