■クラフトの安売りに要警戒
こだわりを求めクラフトの名が冠された商品を手に取る消費者が増加。それに加え、近年は食品メーカーの理研がハイブリットクラフト製法によるドレッシングを売り出したり、エスビー食品がクラフトカレーを打ち出したりするなど、大手メーカーも続々と市場へ参入し、大盛り上がりを見せている。一方で課題も存在しているという。
「ブームにあやかってクラフトという言葉を安易につけて売ろうとしている商品も多く見受けられます。しかし今後は、品質の高い商品が増えていく中で、そういった商品は淘汰されていくでしょう。もしくは、アメリカで“クラフトっぽい”商品を“クラフティ”と呼んでいるので、日本でも同じような区分が出来るかもしれません」
今後クラフト市場で注目されることになる商品はどのような物があるのだろうか。
「本来の意味でクラフトを求める人が増えると思います。少量、限定生産のものや、伝統的製法にこだわって、職人が作ったもの。ありそうだけどなかった革新的なものです。例えば、国産チーズや梅干し、緑茶、もずく塩、ウイスキーや焼酎、などが出てくるのではと注目していますね」
プチ贅沢として気軽に楽しめるクラフト商品。束の間の息抜きとして楽しんでみては。
岩崎剛幸(いわさき・たけゆき)
流通小売・サービス業界のコンサルティングのスペシャリスト。「面白い会社をつくる」をコンセプトに各業界でNo.1の成長率を誇る新業態店や専門店を数多く輩出させている。街歩きと店舗視察による消費トレンド分析と予測に定評があり、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌でのコメンテーターとしての出演も数多い。