■堂々と「現実の不祥事会見から学ぶ」講座も開講
ちなみに、メディアトレーニングの基本プログラムは全体で約4時間。現役幹部記者が、座学で「緊急時の広報対応のあり方」や「記者会見でやってはいけないこと」などをレクチャーしてくれるという。なかでも興味深いのは「現実の不祥事会見から学ぶ」という講座である。
「実際にあった記者会見映像を見ながら、現役のフジテレビ記者らが態度・服装・話し方など、良い点と悪い点を解説するという内容です。
何か不祥事が発生した場合、どうしても経営トップや役員は何らかの形でメディアに説明する必要性が出てきます。その際、報道のされ方次第で企業イメージが大きく変わってしまう。もしかしたら、自分たちでは気づかなかったポイントが批判されたり、意図しないことが一人歩きしたりする可能性もある。不祥事を挽回したいのに、さらに炎上しては元も子もない。それを避けるためのトレーニングというわけです」(前出の広告代理店社員)
なお、毎月多数更新されている「企業事件・不祥事リスト」には、マスメディアのものも散見される。たとえば、
《NHKが今年4月に過去3年間で長時間労働による労災認定が複数あったとして、東京労働局から行政指導を受けていた》(2024.10.11)
《警視庁は9月6日、TBSの50代の男性社員を不同意性交容疑で書類送検した。この社員は既婚者専用のマッチングアプリで知り合った女性に性的暴行を加えた模様だが、同意があったと主張している》(2024.09.15)
など。
ここに、今回の自社の一件が加わるかどうかはさておき……フジサンケイ危機管理研究室は、港社長の会見をどう見たのだろうか。