元SMAPリーダーで国民的タレントだった中居正広(52)が起こした女性トラブルを受けて1月27日、フジテレビが前代未聞の“やり直し会見”を行なったが、“フジのドン”と称されるフジサンケイグループ代表の日枝久取締役相談役(87)の登壇はなく、日枝氏の不在、責任論を追及する質問が相次ぐこととなった。
被害女性が“意に沿わない性的行為を受けた”とされ、中居が9000万円もの巨額解決金を払って示談したと報じられたトラブル。中居は23日、芸能界からの引退を発表。同問題にフジテレビの幹部社員A氏も関与していると報じられていることもあり(同局は否定)、会見を開くに至った。
10時間超に及んだ会見には港浩一社長(72)、嘉納修治会長(74)、遠藤龍之介副会長(69)、フジ・メディア・ホールディングス(フジHD)の金光修社長(70)、港氏に代わり新社長に就任するフジHD・清水賢治専務(64)が登壇。一連の責任を取って港氏と嘉納氏が辞任することが会見冒頭に発表された。
また、28日には遠藤副会長も第三者委員会の報告書が提出される3月末をめどに辞任する意向と報じられている。
「フジテレビ上層部が10時間超に及ぶ会見に臨み、複数の幹部が責任を取って辞任することに。にもかかわらず、40年以上にわたってフジサンケイグループ内で絶大な権力を振るい、いまだに“院政を敷いている”とも指摘されている日枝氏は会見に出席することはなく、詰めかけた取材陣からも質問や批判が殺到しました」(ワイドショー関係者)
日枝氏はフジテレビの編成局長などの要職を歴任し、1988年には同社の代表取締役社長に、2001年に代表取締役会長に就任。そして、現在に至るまでフジサンケイグループ代表を務め、フジテレビの取締役相談役でもある。
会見では「なぜ出席していないのか」「進退はどうなっているのか」など、日枝氏に関する質問が続出。遠藤氏は「フジテレビの問題なので、フジテレビの会長、社長で対応している」と、嘉納氏も「業務の執行に関与しておらず、今回の問題に直接かかわりはない」と説明した。金光氏は「(日枝氏が)企業風土の礎をつくっているのは間違いない」「(企業風土をつくった)遠因はあると思う。その点も第三者委で調査する」とコメントしていた。
港氏と嘉納氏の辞任について「トカゲの尻尾切りにしか見えない。日枝氏への発言を恐れているように思える。これでフジテレビは変わっていけるのか」と厳しい質問に対し、嘉納氏は「(日枝氏に)相談してお知恵を借りたりすることはある。相談役でいらっしゃいますから、ですから……」と言葉を濁すように応じていた。
日枝氏の進退について遠藤氏は「新体制はあくまでも暫定的なもの。第三者委員会の報告時期をめどにそれぞれが責任を取るべきで、それは全常勤役員にも波及するもの」と語るにとどまった。