橋本環奈(25)主演のNHK連続テレビ小説おむすび』。第16週(1月20日~24日)以降、橋本演じる主人公・米田結が顔見せ程度しか登場しない異例の展開となっているが、“主役不在”でも視聴者が楽しめる場面が多く生まれているという――。

『おむすび』は、橋本演じる平成元年生まれのヒロイン・米田結が高校時代に“ギャル文化”と出会い、やがて栄養士として人の心と未来を結んでいくという“平成青春グラフィティ”作品。

 第16週から物語は、仲里依紗(34)演じる結の8歳上の姉・歩を中心に、麻生久美子(46)演じる母・愛子と北村有起哉(50)演じる父・聖人、そして家族が生活する「神戸さくら通り商店街」の住人たちに焦点を当てた内容となっている。近々大型のショッピングモールが建設されることで存続の危機が言われる商店街はどうなるのか――というスピンオフ感のある話が描かれているのだ。

『おむすび』制作統括の真鍋斎氏は、1月23日配信のWEBサイト『リアルサウンド』のインタビューで、現在放送されている内容は当初から予定していたもので、いろいろな登場人物たちの背景を描きたかったと説明。一方で、《(主演の橋本や)他の出演者の方も含めた全体のスケジュールの中で、今回のやり方が収録的にも進めやすく、物語的にも筋が立つと考えて、このタイミングにしました》と、俳優側スケジュールが影響していたとも認めている。

「橋本さんは超売れっ子。昨年10月頃から『おむすび』の現場を1か月ほど離れて2本の映画を撮影していたと言われています。

 そんな“大人の事情”も影響したことで、第16週と第17週(1月27日~31日)は主演の橋本さんがクレジットされない回さえありますが、仲さんをメインにしたストーリーで、実力派俳優陣の名演技、視聴者の共感度が高い“震災の傷跡”を盛り込んだストーリー展開が好評のようです。

 第16週では暗い展開が続きましたが、現在はアメリカ・NYの地で活躍中の芸人・渡辺直美さん(37)演じる元ギャル・アキピーの登場で一気に物語が好転したことも、注目を集めました」(テレビ誌編集者)

【以下、『おむすび』第17週までのネタバレを含みます】

 主人公の姉・歩(仲)は1995年の阪神・淡路大震災によって、当時中学生の親友“真紀ちゃん”を亡くしている。現在もトラウマとなっており、2011年に東日本大震災が発生した際もフラッシュバックしてしまうが、同時に被災者の力になれないかと模索。歩は被災地の岩手に住んでいる旧友・アキピー(渡辺)から必要物資の情報を仕入れるなど「ギャルのネットワーク」を生かして支援を行ない、「ギャル魂」で奮闘するが、震災から1年後、2012年1月になっても気持ちは沈んだままだった。

 そんなタイミングで松井玲奈(33)演じる歩のギャル友・チャンミカの古着屋に強盗が入り、しかも犯人は最初からカネ目当てで近づいていた彼氏だと判明。

 落ち込む歩とチャンミカだったが、そこに突然やってきたのがアキピーだった。小学生の娘が祖父の死でふさぎ込んでいたが、歩が送ったギャル服のおかげで笑顔を取り戻したことを報告。アキピーが「今回の地震だってまだまだ大変だけど、笑って乗り越えてやるわ!」とギャル魂で豪快に笑う姿に、歩も立ち直る――という展開が、第16週で描かれた。