日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトに2025年のトレンドを大胆予測。デジタル化が進む現代社会で、逆に注目度が高まっている伝統文化があると言う。

 今、注目を集めているのが、「盆栽」です。もともと自然の美しさを縮小して表現し、長い時間をかけてその魅力を育むのがその醍醐味で、これまでは“中高年世代の趣味”というイメージを持つ人も多かったのではないでしょうか。

 しかし、海外ではアートとして捉えられ、今年、開村100周年を迎える盆栽ファンの“聖地”大宮盆栽村(埼玉県さいたま市)は、インバウンドの増加もあって、23年度の来館者数約5万6000人のうち約8600人が外国人だったとか。

 一方、日本盆栽協会によると、盆栽人気は高齢者層だけでなく若者層にも広がっているといいます。

 その要因の一つと考えられるのが、人気バラエティ「芸能人格付けチェック」(テレビ朝日系)。番組のお題で“1億円の盆栽”が登場するたびに、SNSでは「迫力がヤバい」「そんなに高いの?」「番組を見て興味がわいた」といった反響が寄せられていました。

 また、TikTok上で「#盆栽」と検索すると、盆栽の魅力や育て方を紹介する動画がズラリ。初心者向けに盆栽の育て方や楽しさを紹介した動画や、AIで生成された盆栽の動画投稿が目立つ一方で、「#うちの盆栽」や「#紅葉盆栽」といったハッシュタグを通じて、ユーザー同士が自慢の盆栽を披露し合うコミュニティも形成されています。