2024年末に国民的タレント・中居正広(52)の女性トラブルが報じられたことをきっかけに、今、フジテレビは未曾有の窮地にある。

 中居は23年6月に重大な女性トラブルを起こし、巨額解決金を払って示談したと昨年末より報じられ、1月23日、芸能界からの引退を発表。そして、フジテレビは一貫して否定しているものの、幹部社員の関与疑惑も報じられ、女性を守れなかったことなども含めて1月27日には局上層部が記者会見を開くに至った。

 しかし、騒動を機に撤退した80社近くのスポンサーは依然として離れたままであり、1月30日には林芳正官房長官が、フジテレビが関係する政府の広報啓発事業について、29日放送予定分も含め広告4件をすべて取りやめたと発表している。

「フジテレビでは多数のCMが放送差し止めとなり、4月以降の新規の契約も見えないというなか、25年3月期の広告収入が当初の予想より233億円の減収となることが発表されました。フジでは番組の制作費は近年減り続けていますが、さらなる削減は避けられないでしょう。

 本業であるテレビ事業の先が見えないなか、期待がされるのは映画事業だと考えられます。今回の騒動前には往年の人気シリーズの再始動が発表されたばかり。多数のファンが楽しみにしているコンテンツですし、この新作が公開されれば、物凄い興行収入になるのは間違いない。フジテレビにとっては、起死回生の一手となるかもしれません」(芸能プロ関係者)

 再始動が発表された往年の人気シリーズとは、2012年に完結していた警察ドラマ『踊る大捜査線』だ。現在、フジテレビでは織田裕二(57)主演のこの名作シリーズの復活プロジェクトが進んでいる。

 昨年10月、11月には柳葉敏郎(63)演じる元警察官僚の室井慎次をメインにした新作映画『室井慎次  敗れざる者/生き続ける者』が公開されたが、『生き続ける者』のラストシーンには織田演じるシリーズ主人公・青島俊作がサプライズ登場。観客を驚かせた。

 そして12月4日には、シリーズ最新映画『踊る大捜査線 N.E.W.』が2026年に公開予定だと発表された。映画『室井慎次』を除けば、2012年公開の映画『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』以来、14年ぶりの復活である。

「『踊る大捜査線 N.E.W.』はまだまだ多くの情報が伏せられていて、織田さん以外のメインキャスト、ストーリーなどの詳細は一切明かされていません。

 ユースケ・サンタマリアさん(53)演じる真下正義や水野美紀さん(50)演じる真下雪乃など“湾岸署”のメンバーが再集結することに期待する声は多いですが、何よりも出演を待望する声が多いのは、やはりヒロイン・恩田すみれ役の深津絵里さん(52)の再登場。

 深津さん演じるすみれは、キャラとしてとても魅力的でしたからね。それだけでなく、昨年末の映画『室井慎次』でようやく“生存”が確定しただけに、もう1度活躍する姿を見たい人が多いんですよね」(前同)

 深津演じる恩田すみれは、『THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』(2003年)で凶悪犯に背後から左胸を銃撃され、命に別状はなかったが後遺症を負う。そのため体力の限界を感じ『THE FINAL』(2012年)で退職を決意したが、同映画のラストシーンの演出から、ファンの間で長らく死亡説が唱えられていた。

 しかし、昨年公開の最新作『室井慎次 生き続ける者』では本人こそ登場しなかったが、室井(柳葉)の口から「(恩田が)退職して20年経ったが、今も(故郷・大分で)ご家族と後遺症に苦しんでいる」と、すみれの近況を口にする場面があったのだ。