難役にもかかわらず、その圧倒的な演技力に見る人は涙した。
注目を集めているのは、男女が逆転したパラレルワールドでの江戸城を舞台にしたNHKドラマ『大奥』。3月7日に放送された第9話では、徳川幕府8代将軍の徳川吉宗役を演じる冨永愛(40)と、吉宗の長女で言語障害のある家重役を演じる三浦透子(26)との、涙ながらの親子での対話のシーンが話題となっている。
『大奥』は少女漫画誌『MELODY』(白泉社)で連載された、漫画家・よしながふみの作品で、2004年〜2021年までの17年間に渡る長期連載。全19巻の発行部数は累計600万部で、2009年の手塚治虫文化賞マンガ大賞を受賞した名作。
「今回描かれたのは、物語のキーとなる男性にしか罹らない奇病『赤面疱瘡』の撲滅に向けて励む吉宗の姿でした。前回、山奥の村から猿の肝を乾燥させた漢方が特効薬として発見されたんですが、今回の序盤で、あえなく失敗。
その結果、実際に吉宗が行った政策の1つでもある蘭学の解放にストーリーを繋げていくという展開が、史実にも忠実で、あっぱれでしたね」(芸能誌記者)
その中で、言語障害のある吉宗の娘・家重が登場。
「史実においても原作でも、生まれつき体が不自由で、排尿障害があったりよだれが垂れていたり、言語が不明瞭なキャラクターとして描かれていた家重。そんな家重を三浦さんは骨格を歪めながら演じ、セリフもわざと聞き取れないように演じていました。
家重は将棋も漢詩にも通じるほどの頭がキレる人物でしたが、体が不自由なため披露することができず家臣からも馬鹿にされる存在に。この家重の歯がゆさをあらわす演技も光っていましたね」(前同)
しかし、家重の秘められた才能を吉宗は見抜いていた。
「聡明な家重が“役立たずだから死にたい”と塞ぎ込んでしまった際に、吉宗は家重の本音を聞きに出向きます。ここで家重が“(いくじなしの)自分でも、誰かの役に立つことができますか?”と吉宗に涙ながらに語りかけるシーンは、まさに原作そのものの家重。
誠実さに胸を打たれ、吉宗も次の将軍に家重を指名するという胸熱なストーリー展開と共に、終始、三浦さんの圧巻の演技に見入ってしまいました」(前同)
顔面をぐしゃぐしゃにして号泣する家重に、SNSでは
《ものすごいものを観た…ぐったり心地よく疲れた 素晴らしい演者陣によるスーパー演技大合戦》
《もうね、三浦透子家重といい、演技力のWBCかよっ!》
《いやはや三浦透子さんの家重たるや。圧巻。樹木希林さんを彷彿するのよね。素晴らしい女優さん》
《「役立たずだから死にたいと言うておったと聞いた。裏を返せばそれは生きるなら人の役に立ちたいということ。違うか?」っていう家重さんに対して語りかける吉宗さんの言葉とても響いた。このシーンの冨永愛さんのお芝居の説得力半端なくて泣く。今期一のめり込むように見てる》
と、絶賛のコメントが続出していた。