■明るい気持ちになれる『まどか26歳』
恋愛もののイメージが強い“火曜10時”枠とは思えぬ、ガチガチのお仕事路線だった今回。しかも、視聴者の指摘にあるように、人と向き合うことが丁寧に描かれ、火曜ドラマとは思えない感動の声がX上で溢れている。この支持の広がりの理由は、内容のクオリティの高さももちろんだが、今期ドラマのラインナップもありそうだ。
今期は社会問題や人間の心の闇を描くドラマが多く、主だったところでは、『御上先生』(TBS系)、『秘密~THE TOP SECRET~』(カンテレ制作、フジテレビ系/月曜よる10時)、『アイシー〜瞬間記憶捜査・柊班〜』(フジテレビ系/火曜よる9時)、『クジャクのダンス、誰が見た?』(TBS系/金曜よる10時)など。
どのドラマも面白いのだが、ちょっと気持ちが重くなることも。そんな中、困難を描きながらも、最後はちゃんと前を向いて進む『まどか26歳』に惹かれる人が多いのだろう。原作の水谷氏もX上で、《なんか悲しいのが落ち着いてまた明日頑張ろうという気持ちになった》と、第3話についてコメントしている。
第3話では、まどかの恋人・砂田直人(渡邊圭祐/31)の浮気疑惑が発覚し、恋愛要素が出てくる雰囲気もあった。しかし、それを物語の重要なエピソードすることはなく、恋人との関係も、医師という仕事を軸にした中で描かれるのだろう。キュン展開を封印した、新しいスタイルの火曜ドラマに期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。