■前役員は“日枝印”ばかり……権力者に気に入られないと出世できない構造か
2月3日に送付されたアンケートは“第1弾”。ほどなく、第2弾が送付されるというが、その第2弾のテーマは《会社の組織風土》だという。
「第2弾のアンケートも近日中に実施されるそうですが、これが重要な意味を持つ調査になると見られています。フジテレビの社風、誰が権力を持っていて、誰がその恩恵を受けていたかを浮き彫りにする。そして、その組織内にパワハラ・セクハラはあったのか、していたのは誰か、をあぶり出す調査になると言われていますからね。
“フジのドン”と称されるフジサンケイグループ代表の日枝久取締役相談役(87)をはじめ、役員などの人事や出世レースなどに関してなど、現状のフジテレビ上層部のリアルが浮き彫りになってくるのではないでしょうか」(前出の民放キー局関係者)
日枝氏はフジテレビの編成局長などの要職を歴任し、1988年には同社の代表取締役社長に、2001年に代表取締役会長に就任。2017年に会長を退任して相談役となって以降もグループ全体の人事に圧倒的な影響力を持っているとも報じられている。
1月27日の『スポニチアネックス』では、局長以上の人事は日枝氏の承認が必要で、役員人事はすべて日枝氏の意向があると伝えている。昇進した幹部らは「日枝さんのおかげ」と考え、日枝氏の意向に従うようになると報じられている。
その日枝氏に関しては、FMHの株式7%を保有するアメリカ投資ファンド「ダルトン・インベストメンツ」が2月3日付で3通目の書簡を送っていたことも明らかになった。
書簡では《どうしたらフジテレビはスポンサー、さらには視聴者の信頼を回復することができるのでしょうか。その答えは明白です。第一に、これが何よりも重要なことですが、日枝久氏がFMH及びフジテレビの取締役を辞任することです》と日枝氏の辞任を要求している。
2月4日、共同通信の取材を受けた日枝氏は自身の進退について「人事に関しては会社が決めることで、ここで言う話ではない」とし、ダルトンの書簡については「知りません」と回答している。
「社長を辞任した港氏を含め、前役員は日枝氏の息のかかった人ばかりで社内では“日枝印”とも言われていました。FMHの金光社長は日枝印からはやや外れた人物だといいます。フジテレビでは21年末に早期退職者を募り、手を挙げた人には特別加算金として最大1億円払うというのを実施しましたが、これを推進したときのフジテレビの社長が金光氏でした。
ただ、想像以上に希望者が殺到し、約100人もの社員が辞めてしまうことに。この結果に日枝氏が憤り、その影響もあって金光氏は22年6月にフジテレビ社長を退任し、港氏にその席を譲ることになったともいわれています。その金光氏は1月27日の会見で、日枝氏の存在について“企業風土の礎をつくっているということに関しては間違いないと思います”と語っていましたね……。
また、港氏に代わって新社長に就任した清水氏は“金光印”とも言われているようですが、要するに、フジテレビでは権力者に気に入られた人がどんどん出世していく構造だと言われています」(フジ関係者)