日々、トレンドの最先端を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏。かつて放送された名作アニメが今では若者から大ブーイングを浴びているという。
昭和に制作されたアニメの中には、令和の時代には再放送が難しいとされるものも少なくありません。理由は差別的表現や暴力、性的描写が作中に含まれており、それが現代の倫理観や社会的配慮の高まりと矛盾するためです。
特に、規制や自主的な放送停止の対象となりやすいのが、未成年者への悪影響や人種差別、ジェンダーに関する描写。今回は昭和を代表する7つのアニメ作品を取り上げ、現在ではNGとされる理由について詳しく解説していきます。
1970年から放送された『あしたのジョー』(フジテレビ系)は、主人公の矢吹丈がボクサーとして成長していく物語で、トレーナーの丹下段平、ライバルの力石徹との関係性がドラマティックに描かれた昭和の熱血アニメの象徴的な作品です。
しかし、作中には差別的な言葉遣いが多く、未成年の喫煙描写や暴力的な場面は令和では放送が難しいと言わざるをえません。
1974年に放送された『魔女っ子メグちゃん』(テレビ朝日系)は、魔法少女アニメの先駆け的作品。主人公のメグが魔法を駆使して困難を解決していく物語は、当時の子どもたちに大人気でした。
ただ、作中には性的なサービスシーンが多く含まれ、メグが下着姿で登場する場面や露骨な入浴シーンなど、児童ポルノに該当する可能性がある描写も。“魔女っ子”という言葉自体についても、西洋文化において魔女という言葉が持つ否定的なイメージや宗教的な問題に抵触するという見方がされています。