日々、若者文化やトレンドの最先端を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏。今、シニア世代の間では推し活が一大ブームになっているという。
近年、「推し活」と呼ばれる活動が、若者からシニア世代にまで広がりを見せています。「推し活」とは、自分の好きな人や物を応援する活動を指し、その市場規模は8000億円を超えるともNHKなどで報じられています。
「推し活」が注目され始めた背景には、1980年代のアイドルブームやオタク文化の発展が挙げられます。これらは「推す」という行為の基盤を築き、AKB48の総選挙などでその概念が広く世へと浸透しました。
その後、2020年代に入るとコロナ禍による行動制限がデジタル化を促進し、オンラインでの推し活が急速に普及。21年には「推し活」という言葉が新語・流行語大賞にノミネートされ、一般的な文化として社会に根付いています。24年にも推し活と関連性の高いワードである「界隈」が流行語にノミネート。新たなトレンドや異業種の参入を生み出すなどの進化を続けています。