■鶴瓶は「一般の人にも優しく話しかけてくれるイメージ」
荒れる鶴瓶のスシロー広告の再開――前出のワイドショーデスクは言う。
「思わぬ事態に見舞われた鶴瓶さんですが、世間の声は最初から“鶴瓶さんを信じる”という空気が支配的だった。
この背景には、やはり鶴瓶さんの人柄も影響しているのではないでしょうか。鶴瓶さんは大御所なのに常に笑顔で、裏表がない人だともっぱら。だからこそ、スシローの早計とも思える対応に、多くの人が意見をしたのでしょう」
鶴瓶は芸歴50年を超える大御所芸人、国民的タレントとして、これまで積み重ねてきた信頼がある。
1995年から続く、ぶっつけ本番の旅番組『鶴瓶の家族に乾杯』(NHK)では、常に多くの一般人を相手にしているが、いつでも自然体で、裏表のない人柄が見えると好評となっている。
「そんな鶴瓶さんは、2月2日放送のラジオ『MBSヤングタウン日曜日』(MBSラジオ)では、直接的な表現は避けつつ、報道の影響によって『スシロー』の広告が消えたことなどを”歴史に残るとばっちり“と話していましたね。
スシローサイドが《深く反省しております》とコメントを出しているように、同社の判断には早計なところがあったのかもしれませんが……今回の一件で、鶴瓶さんの人間力が高く評価されていることもあらためて明らかになったとも言えそうです」(前同)
お笑い評論家のラリー遠田氏は、鶴瓶が愛される理由をこう話す。
「鶴瓶さんは芸歴も長い大ベテランですが、その世代の芸人の中でも親しみやすさがあって、優しいイメージがありますよね。
近い世代のビートたけしさん(78)や明石家さんまさん(69)だと、若い人からすればちょっと怖い、というイメージがありそうですが、鶴瓶さんは常にニコニコしていて、一般の人にも優しく話しかけてくれるイメージができているんだと思います」
中居とのダブルMC番組だった『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)、鶴瓶がMCの『A-Studio+』(TBS系)なども、放送は続いていくことが明らかとなっている。長年積み重ねてきた信頼と実績が、鶴瓶を守ったのかもしれない。
ラリー遠田(らりー・とおだ)
1979年、愛知県名古屋市生まれ。東京大学文学部卒業。専攻は哲学。
テレビ番組制作会社勤務を経て、フリーライターに。在野のお笑い評論家として、テレビやお笑いに関する取材、執筆、イベント主催など、多岐にわたる活動を行っている。
『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと『めちゃイケ』の終わり〈ポスト平成〉のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。