■消防局企画課は「もちろん観ております」
そんな瀬戸も奮闘するフジ月9ドラマ『119エマージェンシーコール』は、救命ドラマとしても視聴者から評判が良く《勉強になった》という声も多いが、フジテレビ問題の影響を受け、“打ち切り危機”が報じられている。
同ドラマは、横浜市と横浜市消防局の全面協力を得て撮影されているが、1月23日に行なわれたフジテレビの社員説明会で同ドラマスタッフが、騒動の影響で横浜市消防局にクレームが入って、協力自体を中止されかねない状況にあると港浩一前社長(1月27日辞任)に訴えたという。
その後1月28日には、市消防局は消防車両や制服の貸し出しなどの撮影協力は続ける方針だが、市側からの要請で積極的な広報を控えることになった、と報道され、2月3日放送の第3話のエンドロールからは、「撮影協力・横浜市会 横浜フィルムコミッション 横浜市役所アトリウム」、そしてひときわ大きく表記されていた「協力・横浜市消防局」のクレジットが消滅した。
2月7日配信のWEBメディア『デイリー新潮』の記事では、横浜市消防局の企画課が取材に対して《積極的に広報するべきではないという結論に至りました》としつつも、
《フジの社員説明会でのドラマスタッフの熱意は報道で知りました。その熱意は伝わっていますので、最後まで協力できればいいと思っています》
と、『119エマージェンシーコール』には好意的な回答をしていた。
小サイトがあらためて横浜市消防局の企画課に取材を申し込んだところ、企画課長が応じてくれた。
――ドラマ『119エマージェンシーコール』への協力について教えてください。
「当局がドラマに協力させていただいているのは、ドラマを通じて消防の業務をより理解していただきたい、という思いがあるからです。
実際に視聴者のネットコメントでは《119番ってこうやるんだ》《どんな状況になるのか、よくわかった》などのお声も拝見させていただいています。やはり、その辺りをより知っていただけると嬉しい思いもあります。
ぜひ、そういった目的がきちんと浸透するように、このドラマを通じてお伝えできれば、と思っています」(横浜市消防局の企画課長=以下同)
――今後もドラマに協力していきますか?
「 “現時点では”という前提はつきますが、協力は続けていく方向性です。今後の世論の動きや社会情勢を見ながら、今のままずっと最後までいくのか、状況を見ながら適切に対応していきたいですね」
――ドラマは観ていますか?
「もちろん観ております」
――感想を聞かせてください。
「先ほどと重複する部分はありますが、ぜひドラマを観て消防のことを理解して欲しいですね。
あと、いつ何時、誰しもが、119番をするような場面に遭遇する可能があると思うんです。だから、ドラマを通じて、いざというときの対応を知っていただけると、安全安心なまちづくりができるのではないかな、と思っています」
※ ※
行政としての積極的な協力は難しいかもしれないが、制作陣の熱意を感じ、国民の防災意識を高めるためにも、最後までドラマを支えたいという思いが伝わってくるような横浜市消防局の見解。窮地にあるフジテレビだが、「面白い」という視聴者からの声も多い月9『119エマージェンシーコール』は、最後まで力強く駆け抜けてくれるはずだ――。
特撮ライター・トシ
幼少期に『仮面ライダーアギト』を観て複雑なシナリオに「何かとんでもないモノがスタートした!」と衝撃を受ける。その後、歳を重ねても熱量は衰えず『クウガ』から始まる平成仮面ライダーシリーズと現在も歴史が続く令和ライダーはすべて履修し、『スーパー戦隊シリーズ』、平成以降の『ウルトラ』シリーズも制覇済み。『仮面ライダーゴースト』の主人公の決め台詞でもある「俺は俺を信じる!」を座右の銘に仕事に全力全開。