■コメディで光る赤楚衛二の演技
メインキャストである赤楚と矢本、アシスタント・三富令子役の桜田ひより(22)の3人は、前話以上にコミカルな演技で、X上では《漫画っぽさやコメディーの部分もあるけど、実は深い濃い感情も描いてる》《3人のキャラ立ちがしっかりしてるから、安心感を持って見ていられる》などと称賛の声が。
基本は1話完結のスタイル。相続調査事務所の3人のキャラを立たせつつ、サスペンスではあるが、最後はいい話で終わらせるという、わかりやすいエンタメ作品に振り切っている本作。配信のTVerでは今期ドラマのお気に入り登録者ランキングで伸び悩んでいるのに、リアルタイムの視聴率が良いのは、土曜の夜に気軽に見るのにうってつけだからだろう。
コミカルな演技は演者の技量が試されてしまうもの。それを赤楚は、ギリギリでわざとらしくならない、いい塩梅に抑えており、視聴者にも《灰江って、下手したらチャラいキャラで終わりそうな人。そこを際どいとこでストップさせてる演出がすごい。もちろん、それに応えられる赤楚君も素晴らしい》などと好評だ。
また、桜田、矢本とのやりとりの間が絶妙。X上で《仲間の令子と朝永の掛け合いが楽しい。ふとした表情から3人の信頼関係が垣間見えて、これからそれぞれの過去とからんだ話も出てくるのかも、と楽しみ》などの声があるように、この3人だからこそ成立する世界と言えるだろう。
第4話は、2時間サスペンスやバラエティで活躍している山村紅葉(64)がゲストで、京都を舞台に老舗和菓子屋の相続問題がテーマ。赤楚ら3人と山村が絡むことで、ベタに振り切ったエンタメドラマが期待できる。これで赤楚も、“数字を持っている”俳優になれそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。