日々、若者文化やトレンド事象を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が本サイトで現代のトレンドを徹底解説。

 現在、にわかに人気が過熱しているのが、時代を超えて多くの人々を惹きつけるヴィンテージカー。1980~90年代にデビューした旧車は、現代のクルマにはない独特のデザインや走行感覚を持ち、所有することで特別な満足感を得られます。

 また、当時の技術や文化を体感できる点も大きな魅力。さらに、適切にメンテナンスされたヴィンテージカーは、資産価値としての側面も持ち合わせ、特に中高年男性にとって若かりし頃に憧れた名車たちは、今でも心を熱くさせる存在です。ちなみに、車好きで知られる俳優・伊藤かずえは1988年に登場した日産の初代「シーマ」をメンテナンスしながら、30年以上、乗り続けています。

 近年、これらの旧車が中古車市場で再び注目を集めている背景としては、デビューしたときは高くて買えなかったという50代以上の人たちが、子育ても終わり趣味を楽しむために購入するケースや、当時を知らない若者が現代のクルマにはない雰囲気の旧車を見て「こっちのほうがカッコいい!」と選ぶケースがあるようです。

 他にも、アメリカの「25年ルール」により、製造から25年以上経過した車両の輸入が容易になったことも中古車市場の盛り上がりに拍車をかけているようです。