6年連続で過去最高税収を更新している我が国の財政だが、社会保障は削られつつある。年金は少ないわ、給料が上がらないわ、一方で物価は上がるばかり――。
そんな中、新しい働き方として注目を集めるのが、スポットワーク、いわゆる「スキマバイト」だ。
履歴書の準備や面接が不要で、空いた時間に手軽に働けるというこの労働形態。はたして、中高年でも気軽にできるものなのか。
本サイトオヤジ記者は、4か月にわたる潜入取材を敢行。副収入として、月額3万5000円をゲットするのが目標だ!
スキマバイトの現状と始め方
あちこちで人手不足が叫ばれる一方で、中高年の雇用はまだまだ厳しいのが現状だ。特に、その傾向はシニア世代に顕著で、厚生労働省の令和5年『高年齢者雇用状況等報告』によると、70歳までの高年齢者就業確保措置を実施済みの企業は、わずか29.7%。65歳以上のシニア人材を継続雇用している企業は限定的だ。
「シニア優遇・歓迎を謳う会社もありますが、実際は60歳を超えると求人に応募しても、面接にも至らず、落とされるのが実情です」
こう語るのは副業評論家で、シニア起業ジャーナリストの藤木俊明氏だ。
そんな中、シニアの受け皿として活況なのが、スキマバイト。藤木氏が続ける。
「もともとは若者向けの労働形態ですが、短時間労働で後腐れがなく、手軽に働ける点が、シニア世代のニーズとマッチしました」
スキマバイトの仲介業者は、タイミー、シェアフル、ツナググループHD、Wakrakが大手4社と呼ばれている。
ここでは最大手のタイミーに注目してみたい。 「2024年3月時点の登録者の割合は、55~64歳と65歳以上が合計38万人。その前年と比べると、2倍以上に増えています」(前同)
記者も実際、自分のスマホにタイミーのアプリをダウンロードしてみた。
ガイドに沿って個人情報を入力し、本人確認書類として普通免許証を写真に撮ってアップロードすれば、すぐに利用を開始できる。
希望する日時や職種、地域を選択すれば、交通費の有無を含めて条件に合った仕事の候補が表示される。そこでマッチングが成立すると、あとは指定された場所、時間に行けばいいだけ。面接はおろか、履歴書の提出もない。
職種は多岐にわたり、自動車免許や美容師免許などの資格保持者から、未経験者の募集まである。全体的には飲食業界の募集が多いようだ。
給料は事前に登録した口座に即時、振り込まれるので、急な入り用の際に活用できそう。また、アプリ上で源泉徴収をやってくれるのも、フリーランスの人にはありがたいところだ。